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ロンドン市長、通り名や像などを多様化するため基金を設立

「脱植民地化」も念頭に

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Rhys Thomas
Contributing writer
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2020年6月、ジョージ・フロイドの死に関する抗議行動を受けて、ロンドン市長のサディク・カーンは、 The Commission for Diversity in the Public Realm(公共空間における多様性のための委員会)を設立した。この取り組みは、ロンドンの公共空間における像やランドマークなどについて多様性と表現を見直し、改善するためのものだ。

委員会では設立から1年を経て、本格的な調査を初めて実施。ガーディアン紙によると、ロンドンには女性の像より動物の像の数が多いことが判明した。また有色人種にささげられた像は約1%で、有色人種の女性にささげられた像はわずか0.2%であることが分かった。

これらの(あまり良くない)調査結果を受けて、市長室は黒人やアジア人、少数民族のコミュニティー、女性、LGBTQ+のコミュニティー、障害者のために、公共空間での表現に関わる市全体の実際の変化を始めるため、100万ポンド(約1億5670万)の基金『Untold Stories』の設立を発表した。

この取り組みは同時に、ロンドンを「脱植民地化」するために、現在あるランドマーク、像、通りの名前を見直すことにも及んでいる。その一環として、基金では奴隷制やそのほかの抑圧、植民地主義に関わる人物を指す通り名、建物名、記念碑などの撤去や交換を希望する地域グループに、最高2万5,000ポンド(約390万円)の助成金提供を決めた。

実際に、例えば通りの名前を変更する場合、住民の75%以上の賛成を得ることのほか、裁判手続き、救急や郵便サービスの管理費、さらに新しいサインや記念碑の設置費など、かなりの費用がかかるという。

『Untold Stories』助成金の第1次募集は2021年10月21日に始まり、締め切りは2022年1月中旬。募集対象はロンドンにある売上高50万ポンド(約7,800万円)以下のコミュニティー主導型の地域グループで、来年の春には第2回目の助成金募集も行われる。

これらの助成金の設立に関する声明において、カーンは次のように述べている。「ロンドンの多様性はこの街の最大の強みですが、あまりにも長い間、街の像や通りの名前、建物は、複雑な歴史について限られた視点しか示していませんでした。(この基金は)この街を最もよく知る多様なコミュニティーが、知られざる物語をたたえるための道を切り開く手助けをするものなのです」

実はホクストンのMuseum of the Home(以前の名前は、大西洋横断の奴隷制度で財産の一部を築いたロバート・ゲフリー卿にちなんで付けられた)やハリンジーのBlack Boy Roadなど、この12カ月間で(つまり今回の基金の設立する前から)、すでにランドマークや通りの名前が変わり始めている。『Untold Stories』設立によりそうした動きがますます加速するのは間違いないだろう。

原文はこちら

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