[title]
和食の板前として腕を磨いた2人の女性──森岡夏生と木村ゆりが手がける、ごはんや湯気。テレビ番組『ボンビーガール』(番組は2021年9月に終了)にも取り上げられ話題を呼んだ同店が、2020年10月にスタートした不動前や西日暮里での間借り営業を経て、2022年4月15日、西荻窪に念願の実店舗をオープンした。
「湯気」という店名は、間借りをスタートさせた時から使っているもの。2人とも銭湯が好きなこと、銭湯の湯につかったときのように「ホッとするひととき」を過ごしてもらいたいという思いに由来する。
店内はテーブル席が3つ(2人掛け×2と4人掛け×1)とカウンター席があり、最大15人ほど座れる。カフェ風のおしゃれな内装は、彼女たちと同じ年齢の20代の設計士に依頼。あまりきれいにし過ぎず、素材を生かしたいという思いを具現化した。2人の実家から持ってきたという古い食器たちもまた、「湯気」らしさを演出している。
メニューは1,200円の『湯気定食』のみ。これで一本で勝負する。メインは週替わりで、市場やスーパーで旬を感じる素材を見つけ、調理しているという。突然蒸し暑さが増したこの週は、低温調理したぷりぷりの鶏に、レモンのきいた香味ネギソースをかけた『ゆで鶏 香味ネギだれ』が用意されていた。
メインのほかには複数の小鉢が付く。料理を担当する木村が「外食疲れしないように、薄めの味付けにしてあります」と語るように、優しい味付けの料理に心身ともに癒やされる。
2人がご飯をおいしく食べてほしいと力を込めるだけあり、精米仕立てを送ってもらい、低温でしっかり保管する新潟県産コシヒカリを使った、歯ざわりがつるんとしたご飯は絶品だ。大盛りにも無料で対応する。丁寧にだしをとったみそ汁もほっと心が温もる。店内のぬか床で漬けているぬか漬けもまた食欲をそそる「ご飯泥棒」だ。
酒にもこだわりが見え隠れする。木村が新潟県新潟市出身ということから、『サッポロラガービール』(通称「赤星」)ほか、エチゴビールを用意している。なお、間借り時代の看板商品だったおにぎりは、テイクアウトで買い求めることもできる(早めに売り切れる場合あり)。
関連記事
『三つ星シェフが絶賛するOme Farmのレストランが神田に移転オープン』
『都市型農園レストラン「プラント」が生み出す、素朴でイノベーティブな食卓』
『ビーガン豆皿定食やロースイーツが楽しめるカフェ、小春日和TOKYOが登場』
『中国語飛び交うファンキーな「ガチ中華」店でナマズを食べてみた』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら