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ポケットに大麻を入れて歩ける国は多くないが、その数は着実に増えている。2013年にウルグアイ、2018年にはカナダが合法化。アメリカでも州によっては認められている。もちろん、アムステルダムの煙が充満したコーヒーショップが有名なオランダでは、1976年から合法だ。
こうした国のリストに加わったのがドイツ。同国で、大麻の所持についての規則が緩和されたのだ。
長年の運動の末、新しい大麻関連の法律が社会民主党、緑の党、自由民主党の連立政権によって2024年2月に可決され、4月1日に施行された。主要な運動団体であるドイツ大麻協会は、大麻が合法化された深夜にベルリンのブランデンブルク門で「スモークイン」イベントを開催。同様の集会はケルン大聖堂の前、ハンブルク、レーゲンスブルク、ドルトムントでも見られた。
新しい大麻のルールは、具体的にはどんなものなのだろうか。
18歳以上(成人)であれば、公共の場で25グラムまでの大麻を所持することができ、大麻の栽培は1世帯につき3株まで可能となる。ただし、7〜20時の間、学校、スポーツセンター、歩行者天国が「見える場所」で大麻を喫煙することは禁止されている。
7月からは「大麻ソーシャルクラブ」の設立が始まる。厳密な非営利ベースで大麻を育て、流通させられる栽培者の団体となる各クラブでは、最大500人の会員を有することができるが、クラブ内での喫煙は禁止となる。BBCの取材に応じたドレスデン市民のマルセル・リッチェルは、このクラブのことを「大麻のための園芸クラブ」と表現している。「ソーシャルクラブから出る(大麻の)1グラムは、闇市場に出回らない1グラムです」と彼は続けた。
闇市場を撲滅と品質管理の向上は、新法支持者の中で議論されたトピックの一つで、ソーシャルクラブの運用により状況が改善されることが期待されている。
ただ警察は、その効果については懐疑的のようだ。警察労働組合のアレクサンダー・ポイツは、「
しかも、大麻が合法化されて久しいほかの地域では、闇市場の抑制はまだ達成されていない。マーストリヒト大学の刑法・犯罪学助教授であるロビン・ホフマンは、「これはスプリントではなくマラソンです」と言う。
そして実は、大麻合法化の「高揚感」がいつまで続くのかも分からない。キリスト教民主同盟は、政権を担っていた時にこの法律の進展を止めていたのだ。2025年に再選した場合には、この法律を撤回することをすでに公約している。
ドイツでの大麻合法化の寿命は少し不確かだが、今のところ「ビールの国」は「大麻フレンドリー」と言っていいだろう。
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