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2023年3月15日(水)、世界20カ国で刊行されている「ゴ・エ・ミヨ(Gault&Millau)」の日本最新版「ゴ・エ・ミヨ 2023」(発行:ONODERA GROUP、発売:幻冬舎)が発刊される。それに先がけ、同書の出版を手がける「ゴ・エ・ミヨ ジャポン」は13日、ONODERA GROUP本社 「Re+Izm」でプレス発表会を開催。12人の受賞者が集まり、9つの賞の授賞式を行った。
食ジャーナリストのアンリ・ゴとクリスチャン・ミヨが1972年にフランスで創刊したゴ・エ・ミヨは、食を通して豊かな時間を分かち合うためのガイドブック。評価本という形ながら、店だけでなくシェフや生産者、職人にまでスポットを当てているのが特徴だ。気鋭のシェフをいち早く見い出す先見性にも定評があり、2017年の日本版第1号を皮切りに、今回で7号目となる。
ゴ・エ・ミヨの哲学は、「新しい才能の発見」とその土地ごとの食文化 「テロワール」。今回は、東北地方が新たに加わった記念すべき初の日本全国版で、全47都道府県における501店舗のレストランや料理店を掲載している。
これまで通り「予約の電話から見送りまで」のレストラン体験全体を評価対象とし、トック(コック帽)数と点数(0.5点単位、20点満点)で表示。各賞と受賞者インタビューも掲載されているので、併せてチェックしてほしい。
「今年のシェフ賞」は「日本料理かんだ」の神田裕行
「今年のシェフ賞」を受賞した神田裕行は、1988年にパリでゴ・エ・ミヨに初めて評価されて以来35年、繊細な日本料理に時代の感性を吹き込んできた。2022年2月に「現代の日本の料亭」をコンセプトに、自身の店を「虎ノ門ヒルズ」へ移転。現代美術作家の杉本博司が作り出す新たな和の空間を拠点に、70歳までの10年を日本料理の研究にそそぐという。
「今のお客さまは、気持ちの通じ合いやシェフとの距離が近いことを望まれるので、カウンターのグランメゾンという世界観を意識しました」と語る。料理人として食の未来を考え、日本の料理界をけん引する存在であることが評価された。
その日限りのスペシャルコラボレーションメニューも登場
会場では、スペシャルコラボレーションメニューも登場。「ベストパティシエ賞」の延命寺美也(ワインバーとアシェットデセールの店「エンメ」)による創作デザートと、ベストソムリエ賞を受賞した若林英司(「エスキス」総支配人兼ソムリエ)がペアリングしたドリンクを関係者に振る舞った。
同コラボレーションのテーマは「花の香り」だ。チョコレートを主に「桜」を使わず、桜の香りを表現したという独創的なデザート「パルファンショコラ」に、スパイスや土を感じるハンガリーの赤ワインと、福建省のジャスミン茶の2種をペアリングして提供。祝いにふさわしい華やかなマリアージュで会場を沸かせた。
受賞者たちは、生産者へのリスペクトや家族への感謝を述べ、今後も日本のレストランや食の世界に貢献していくと意気込みを語る。飲食業界に深刻なダメージを及ぼしたコロナ禍からの復興とともに、新たな日本食文化の指標となるかもしれない一冊に注目だ。
「ゴ・エ・ミヨ 2023」は3,000円(税込み)。全国の書店、アマゾン、楽天ブックスなどで購入できる。
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