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我々は皆、「フューチャーメイカー」といえるだろう。誰もが、一人一人、少しずつ、未来を作っている。しかし、世界の中には、「未来づくり」に秀でた人たちがいる。タイムアウトグローバルでは、読者と共有したいと思う、未来へのビジョンを持つ50人を『Future Makers: 50 amazing people changing our world』と題した特集で紹介している。
本当に素晴らしい「フューチャーメイカー」を選出するため、タイムアウトグローバルでは、ネットワークしている世界の328都市の編集者とライターにアンケートを行い、ロサンゼルスからメルボルン、そしてパリなどに散らばる編集者にヒアリングを実施。また、読者からの情報も募り、世界的なヒーローから地域のチャンピオンまで、さまざまな推薦を受け取った。
そして完成したのが、大胆なアイデアとプロジェクトで、我々が期待できる世界を作ることに貢献しているパイオニアやイノベーターのリストだ。「フューチャーメイカー」に選ばれたのは、アーティスト、活動家、建築家のほか、映画監督、市長、ビジネスマンなど。環境保護活動家、音楽家、都市計画者もいる。これらの人々は、簡単にラベリングできないが、皆、驚くべきストーリーを持っている。今こそ彼らに注目しよう。特集記事から、我々の世界を変える素晴らしい人々を何人か紹介する。
地元民のためにストリートを再生したバルセロナ市長
アダ・クラウ
バルセロナでは、汚れた多くの大通りが、「スーパーブロック」というプロジェクトに組み込まれ、待望の再生を遂げようとしている。同市長であるアダ・クラウが推進しているこのプロジェクトは、指定地域を歩行者に優しい自動車のないゾーンに変えるというものだ。ゾーン内には、木が植えられ、自転車レーンや公共のベンチも整備される。「スーパーブロック」は、2016年にポブレノウ地区で初めて導入。市長はこの取り組みを通して、今後10年間で街全体を変革することを目指している。称賛に値する野心的な目標といえるだろう。
女性として初めてバルセロナ市長に選出されたクラウのもう一つの大きな功績は、市民と観光客のより良いバランスをとっていることだ。その一環として、新しいホテルの建設を禁止、空き物件の削減、観光客向けの違法賃貸物件に対する法律の強化などを実行。こうした彼女の政策については、バルセロナを訪れることが好きな旅行者でも、良いことだと思っているはずだ。
最大の功績:交通量が多いアシャンプラ地区を通る21もの道を「スーパースーパーブロック」として承認。これで同地区から自動車が排除される。2022年から整備がスタートする予定。
どう世界を変えているのか:歴史的な中心街を空洞化させている「Airbnb化」を元に戻している。バルセロナはすぐに、ほかの都市とは違った変貌を遂げるはずだ。(Huw Oliver)
植物を称賛するアメリカ先住民族の植物学者
ロビン・ウォール・キマラー
木々が地中でどのように「会話」をしているのか、なぜ紫と黄色の花が近くで咲いているのか、不思議に思ったことはないだろうか。アメリカ先住民族の植物学者、ロビン・ウォール・キマラーは、そんな疑問を解決してくれる。
彼女はベストセラーとなった著書『植物と叡智の守り人(Braiding Sweetgrass)』の中で、科学的な正確さとネイティブ・アメリカンの知恵を巧みに組み合わせ、北アメリカ原生地域の秘密の仕組み、植民地化以降に植物や動物、そして風景がどれほど変わってしまったかを、美しく、そして痛快に描写。キマラーの詩的な文章は、現代の西洋文明がいかに自然から離れているかを認め、我々全員が土地やそこに住む全ての生き物との相互関係がある状態へ戻ることを奨励している。
最大の功績:初の著書『植物と叡智の守り人』は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーとなり、インターネット上でも話題となった。
どう世界を変えているのか:人間と自然の間に相互関係を取り戻すことを提唱している。(Sarah Medina)
香港で肉を食べないライフスタイルを実現したエコ戦士
デイビッド・ヤン
デイビッド・ヤンは、2012年に香港の人々がより持続可能なライフスタイルを実現できるよう「Green Monday」運動をスタート。同地の二酸化炭素排出量を削減するために、月曜日に肉を食べないことを提唱してきた。2015年には、植物由来専門の食料品店、Green Commonをオープンし、9つの店舗とオンラインショップを運営。ヤンが開発し、2018年から発売している植物性プロテイン「OmniPork」は、地元レストランで肉の代用品として人気となり、現在は10カ国で販売されている。
最大の功績:「Green Monday」は大ヒット。今では、香港の人口の半分近くがこの運動を知っており、肉を減らしたり、フレキシタリアンになったりする人が増えている。
どう世界を変えているのか:デイビッドは、食文化と消費者の行動に大きな変化をもたらすことで、アジアで最もトレンドに敏感な都市の一つである香港を、環境に配慮した、健康的で持続可能な生活を送れる都市へシフトさせようとしている。
@greenmondaydavid | greenmonday.org
アフリカとヨーロッパの文化の架け橋となるブロガー
タニア・アダム
タニア・サフラ・アダムは、モザンビークのマプトで生まれ、6歳の時に家族と一緒にヨーロッパへ移住。リスボン、マドリードを経て、2004年からバルセロナで暮らしている。そうした「旅」の経験を生かし、彼女はスペイン語圏のディアスポラにフォーカスを当てた、アフリカ文化を紹介するメディア、Radio Africaを立ち上げた。
最大の功績:アフリカ文化の豊かさと多様性をより多くの人々が知ることができた。人種差別や無知に対する彼女の戦いは、バックグランや肌の色を超えて、多くの人々に大きな刺激を与えている。
どう世界を変えているのか:アフリカ大陸の芸術に目を開かせ、音楽に耳を傾けさせている。(MJ Gómez)
radioafricamagazine.com
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