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品川区西小山の東京浴場は、漫画7000冊相当が並ぶ巨大本棚が休憩所に鎮座するユニークな銭湯だ。そのアイコニックな休憩所は、公衆浴場やサウナ好きのみならずブックカルチャーにときめきを感じる人にとっても心踊る場所だろう。そんな同銭湯がこのたび、棚貸し式の新たな書店「フロナカ書店街」を銭湯内に設置することが分かった。
同プロジェクトは「収益目的ではなく、 自分の小さなお店を自己実現の場として展開したい」「銭湯という空間で本屋さんを営んでみたい」などの希望を持っている人に、月額賃料4,000円で31×31センチの1棚「ミセ」と看板を貸し出し、小さな本屋のオーナーになってもらうという、一箱書店形式の店だ。出店先が路面店でもマンションの一室などでもなく、銭湯というのが面白い。
販売するのは基本的に書籍、雑誌、ZINEなど紙媒体の制作物のみで、看板には各々の店主がショップ名や屋号を自由に記載して掲げることができる。「ミセ」はひと月単位の更新で、解約しない場合は基本的には運営側と相談しつつも継続出店のようだ。先着は70軒分の「ミセ」を募集しており、出店が決まった順に棚が埋まっていく。出店したい人は公式ウェブサイトで詳細な情報をチェックしよう。
2021年6月24日の19時から募集をスタートしたが、問い合わせが相次いでおり、開始4日で半分程度の出店申し込みが来ているとのこと。出店者それぞれの搬入が完了次第、随時開店していく。早ければ7月頭にはスタートする見込みだ。
この書店の運営は、東京浴場と同じくニコニコ温泉社が手がけている。「お風呂に入るのは日常とすごく近い行為です。そんな銭湯という場所に、出店者の皆さんが思い思いに集めた本が並ぶ、多様な本屋が集合した小さい書店街を作ってみたいと思いました」と同社の田川あす美は同プロジェクトへの思いを語る。一体どんな本が並ぶのか、今から興味津々だ。
また、書店街の本は既存の大型本棚に並ぶ漫画と同じように、休憩所で読むことができる。きっとならではの読書体験になるだろう。気に入った本を購入すれば、この珍しい体験が挟み込まれた特別な一冊になるかもしれない。
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