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2022年のフジロック開催発表、第25回の節目となるか

入場ゲートに掲げられた翌年への希望

Hisato Hayashi
テキスト:
Hisato Hayashi
Editor/Writer
Fuji Rock Festival
Photo: Fuji Rock FestivalThis image is from a previous Fuji Rock Festival
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賛否両論がありながらも開催を終えた『FUJI ROCK FESTIVAL 2021』。2020年は新型コロナウイルス感染症対策として、イベント初の開催中止となり延期。エリアの縮小や酒類の提供中止、希望者へ抗原検査の配布などを行い、2021年8月20〜22日の全日程を終了した。

公演の一部は、フジロックの公式YouTubeから3つのチャンネルで無料ライブ配信が行われ、終了後にはリピート配信もあった。人気バンドの出演時には数多くの視聴者が集まり、自宅で楽しむフジロッカーも多くいただろう。

主に若手アーティストを筆頭に、コロナ禍での出演への現状の思いをステートメントやMCで伝える出演者も多く見られた。誰しもが不安を抱える中での開催の是非、政府への糾弾、取り巻く状況を、中立という立場に甘んじずにはっきりとそれぞれの言葉で伝える姿は、これまでのアーティストの在り方を大きく変えた瞬間であったと言える。

直前で出演辞退を表明した津田大介をはじめ、ソロシンガーの折坂悠太が公式Twitterで発表したステートメントには多くの反響が寄せられた。折坂は「一般企業や国民に多くの責任を負わせ、必要のない分断を加速させる構造を作った今の政府に対して、改めて憤りを感じます。今回も、開催や出演を巡る意見の違いで、いき過ぎた分断が生まれる事を心配しています」(原文から)とつづっている。気になる人はこの引用だけでなく、必ず全文を読んでほしい。

一方、フジロッカーズオルグでは、現地苗場の入場ゲートの看板の写真とともに2022年の開催が報じられた。第25回目となる開催日程は、7月29日(金)〜31日(日)だ。最終日に翌年の日程が発表されるこの看板は、フジロックでは例年見慣れた景色だが、開催が危ぶまれた現状を経て、未来への希望が託されたように映る。

「世界一クリーンなロックフェス」として海外アーティストからの人気も高いフジロック。「自分のことは自分で」「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」を3原則に、来場者とともに作り上げてきた音楽の楽園だ。しかし、フェスという非日常空間の上であまり取り上げられないが、例年多くの人が集まる場所では、悪質なナンパ行為や痴漢被害なども起きている。このコロナ禍で信じ難いが今年の被害も事実としてあり、対策は急を要する課題であることを述べておく。

2022年に向けて、またその翌年もずっと先までもフジロックを継続するためには。開催に踏み切った意義と、迷いを隠さずに吐露したアーティストの姿勢を目に焼き付け、共に考えていきたい。

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