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国立競技場の近くにあるこのモダンな長方形の建築物は、2020年10月に完成した公衆トイレ。斬新な建築物を生み出し続ける建築設計事務所、サポーズデザインオフィスが手がけ、シンプルでありながら強烈なインパクトを放っている。
本プロジェクトは、安藤忠雄らが参加した渋谷区の『THE TOKYO TOILET』とは別に実施されたもの。国立競技場駅のA5番出口をすぐ出たところにあり、コンクリートの巨大な塊が宙に浮いているかのような不思議なデザインが特徴的だ。
7.5メートルの外壁は内側にある2本の柱からつり下げられるように設計。外から見るとまるで浮遊しているかのような視覚効果を生み出している。
夕方になると、浮遊感が強調されるようライトアップされる。建築の街として知られる千駄ヶ谷にふさわしい、洗礼されたデザインと言えるだろう。
SENDAGAYA Public Toilet_n from SUPPOSE DESIGN OFFICE on Vimeo.
トイレの内装は高級ホテルのようなたたずまいで、アコヤ材のパネルや真鍮(しんちゅう)などの素材を使用。天井も高く天窓からは自然光が降り注ぎ、換気も十分に行われている。中央には大きな鏡と男女共用の手洗い場があり、建物の両端に車いすでも入りやすい多目的トイレを設置。外観は重みがあるが、使いやすさと開放感を同時に感じられるよう工夫がされている。隈研吾が設計した国立競技場に続いて、東京のモダニズムを誇るアイコニックな建築物になっていきそうだ。
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