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2023年7月26日、27日に皇居にある千鳥ヶ淵で、夏の風物詩「皇居千鳥ヶ淵 灯ろう流し」が開催された。灯籠流しは、戦後の荒廃した人々の心を癒やそうと1958年に始まった催し。現在は、灯籠の一つ一つに参加者の感謝や願いを込め、「贈り灯」として水面に放している。
昨年の開催時には国内外から約6000人が来場し、大盛況で幕を閉じた。今年の26日には、わずか1日で約4500人が訪れたという。コロナ禍以降初めての行動制限のない夏ということもあり、さらににぎわいを増していた。この記事では、26日の会場の様子をレポートする。
時刻は18時30分を過ぎ、気温は35度を超えていたが、会場に集まる人の多さに驚く。さまざまな国籍、年齢層の人が集い、会場はさながら夏フェスでも開かれるのかというほどごった返していた。皆、灯籠に願いや希望のメッセ―ジを書き込んでいる。家族で訪れていた少女は「プリンセスになりたい」と、こっそり教えてくれた。そのほか、世界平和や受験、恋愛など、思い思いの願いが込められた灯ろうが並ぶ。
同イベント主催者、千代田区長の樋口高顕は「今年は、長かったコロナ禍もようやく落ち着き、たくさんの人にご参加いただいています。思いを馳せながら、幻想的な夏の夜をお楽しみください」とあいさつした。
19時になると、アナウンスとともに一斉に灯籠が水面へと流された。約2100組もの申し込みの中から抽選で選ばれた120組が参加する「船上贈り灯」が行われ、幻想的な光に包まれる水上から、直接灯籠を流す。気持ち良い夜風が吹き抜ける中、皆の願いを乗せた灯籠がゆっくりと流れていく。
徐々に灯籠が増えていき、約2000個のだいだいと白の光が水面に揺らめく。都会の喧騒(けんそう)とは程遠く、幻想的な世界が広がる。映画のワンシーンのような光景に目を奪われ、ここだけ時間がゆっくりと進んでいるかのような錯覚に陥ってしまった。
浴衣を着た大学生の3人組は、「今年が最後の学生生活になるので、最高の日々を過ごせますように、と願いを込めました」と話してくれた。家族や恋人、友達など大切な人との、最高の夏の思い出になったことだろう。
今年の夏は花火大会をはじめ、東京でも多くの夏の風物詩が復活する。ぜひ外に出て、今しかできない体験を楽しんでほしい。
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