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金沢21世紀美術で「フェミニズムズ / FEMINISMS」が開催

「複数形のフェミニズム」を語る企画展に9人のアーティストが参加

Hisato Hayashi
Honoka Yamasaki
編集:
Hisato Hayashi
テキスト::
Honoka Yamasaki
遠藤麻衣×百瀬文《Love Condition》2020
遠藤麻衣×百瀬文《Love Condition》2020
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金沢21世紀美術館で特別展『フェミニズム / FEMINISMS』が、2021年10月16日(土)から2022年3月13日(日) まで開催する。ジェンダーや身体、性に対する認識が多様化、固体化して広がり、現代社会で生きる人たちの違和感がさまざまな視点から議論されるようになった現在。多様性を受け入れる社会を実現する上で、これまでのフェミニズムの考え方や運動の積み重ねが重要であることから、複数形のフェミニズムをテーマとして立ち上がった企画展だ。企画は同館キュレーターの高橋律子。

木村了子《Beauty of My Dish  - 人魚達の宴図》2005(個人蔵)
木村了子《Beauty of My Dish - 人魚達の宴図》2005(個人蔵)

さまざまな視点から見るそれぞれの作品

女性解放のための社会運動であったフェミニズム。近年では世代や時代、所属する国家や民族、それぞれの環境や価値観によりフェミニズムは複数形で語られるようになっている。

本展を構成するのは、日本を主な活動拠点とし、1990年代以降のアートシーンをけん引する9人の現代アーティストたちだ。

ユゥキユキ《「あなたのために、」》2020
ユゥキユキ《「あなたのために、」》2020

社会で見過ごされてきた歴史や出来事をひもとき、女性の手仕事とされてきた手芸や布などを用いて作品を創造する碓井ゆい、視覚中心に構築されてきた社会への問いを扱う百瀬文、東洋の美しい男性像を美人画を通して描く木村了子、日本文化に潜むジェンダーと消費の関係性をあらわにする西山美なコ、そして遠藤麻衣、青木千絵、風間サチコ、森栄喜、ユゥキユキらの作品が展示される。

既存社会からの脱却への試み

9人のアーティストたちにより創られる空間を通し、既存の社会規範や制度あるいは価値観に囚われない、新しい解釈の可能性を次世代につなぐことを試みている。表現メディアは、絵画、彫刻、版画、写真、映像、インスタレーションなど多岐にわたり、それぞれのアーティストのまなざしを、鑑賞者それぞれの視点で受け取れるだろう。

碓井ゆい《shadow of a coin》2013-2018 (個人蔵)(撮影:木暮伸也)
碓井ゆい《shadow of a coin》2013-2018 (個人蔵)(撮影:木暮伸也)

美術館とフェミニズムの関係性

フェミニズムのスローガンである「個人的なことは政治的なこと」のように、個人的な違和感を発することは社会を動かす力になり得る。多様な価値観、考え方を前提に、アートを通して社会的な課題を伝えることこそが美術館の強みなのだ。

アートにおけるフェミニズムは、自分らしい生き方に対する問いとして表象する役割を担うことであろう。本展を通して、男性もフェミニズムについて考える機会が増え、協調により個が共存できる未来を願っている。

『フェミニズム / FEMINISMS』の詳細はこちら

テキスト:Honoka Yamasaki

ライター、ダンサー、purple millennium運営

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