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復興はそれぞれの立場から、能登の未来をともに考える展覧会が開催

伝統工芸品の展示や年代・国・業種を超えた特別座談会を実施

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Time Out Tokyo Editors
NOTO NEXT -みんなのアイデア- 展
画像提供: 公益財団法人日本デザイン振興会輪島塗
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能登半島地震から5カ月。被災地にはいまだに震災の傷跡が残り、復興が進まない状況が続いている。2024年6月6日(木)〜26日(水)、年代や国籍、業種を超え多くの人々と能登の未来を共に考える展覧会「NOTO NEXT -みんなのアイデア展-」が「グッドデザイン 丸の内(GOOD DESIGN MARUNOUCHI)」で開催される。

時間がたつにつれ被災地への関心が薄れていく中、誰もが満足する「正解」を目指すのではなく、「さまざまな意見をもとに復興の第一歩を進めたい」という一人の被災者の方の話から、本展の開催が決定。能登地方を代表する工芸の展示のほか、学生や職人、行政やデザインなど、それぞれの立場から能登を見つめる関係者を組み合わせた特別座談会を実施する。

NOTO NEXT -みんなのアイデア展-
画像提供: 公益財団法人日本デザイン振興会「輪島塗」

展示される工芸品は、被災地で大きな被害を受けた「輪島塗」と「珠洲焼」だ。輪島塗の塗師屋(ぬしや)である「高洲堂」のコレクションから、江戸の超絶技巧を堪能できる作品や、塗師屋が「これぞ輪島塗」と胸を張る「溜御膳(ためごぜん)」を公開する。風土と人々の暮らしを写す鏡である工芸品を展示することにより、職人たちが伝えたかったものは何かを問い、その精神や暮らしぶりを垣間見ることができる。

NOTO NEXT -みんなのアイデア展-
画像提供: 公益財団法人日本デザイン振興会「NOTO NEXT -みんなのアイデア展-」

約9回にわたって行われる特別座談会では、毎回異なる2〜4人のスピーカーが登場。未来を創る復興の在り方や持続可能な地域経済、伝統工芸の未来を構築するビジョンなどについての疑問や提案を共有し、発信する。

例えば「伝統工芸の継承と発展」では工芸大国である石川県のこれから、「復興の現場から」では「ある日突然『被災者』になったら?」 を題材に、街と文化の復興最前線についてのトークセッションを開催。「海外視点のデザイン」では国内外の人気デザイナーか集まり、災害と伝統へデザインができることを話し合う。座談会はオンライン配信されるほか、゙アーカイブ化もされる予定だ。

期間中、「グッドデザインストア トウキョウ バイ ノハラ(GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA)」では、ポップアップショップを同時開催。輪島塗の作品をはじめ、現在進行中のプロジェクトで制作された漆芸や金継ぎの作品など、多種多様な伝統工芸品を展開する。

今一度、被災地支援の在り方や伝統工芸の継承危機などの問題を考え直すきっかけとなるはずだ。展覧会の詳細は公式ウェブサイトを確認してほしい。

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