[title]
ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)は、「六本木ヒルズ」に常設されている蜘蛛(くも)の巨大彫刻「ママン」で知られるアーティスト。2010年に98歳で人生の幕を閉じるまで、インスタレーションや彫刻、ドローイング、絵画などの制作を精力的に続けてきた。
2024年9月25日(水)~1月19日(日)に「森美術館」で開催される「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」は、ブルジョワの日本で27年ぶり、国内最大規模の展覧会だ。本展では約100点の作品群を3章構成で紹介し、彼女の長いアーティスト活動の全貌に迫る。
ブルジョワの作品の多くは、彼女が幼少期に経験した複雑でトラウマ的な思いをインスピレーションとし、形にしたもの。希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放といった相反する感情や心理状態が表現されている。
本展の第1章「私を見捨てないで」では母との関係、第2章「地獄から帰ってきたところ」では父との確執、第3章「青空の修復」では、家族の関係性の修復と心の解放がテーマとなっている。本展出品作品の約半数が、1998年以降に制作された日本初公開の作品だ。
各章をつなぐ2つの小スペースでは初期の作品を公開し、1960年代のフェミニズム運動で高く支持された「ファム・メゾン(女・家)」 シリーズなどが展示される。そのほか、複雑な感情や心理状態を描写した文筆家としても知られるブルジョワの言葉も、会場の各所で紹介する。
同展のタイトル「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」は、ハンカチに刺しゅうで言葉をつづった晩年の作品からの引用。さまざま感情と、時にブラックでもあるユーモア、そして生命力にあふれる彼女の作品から、私たちの心に強く響く何かを感じとってほしい。
関連記事
『「GINZA SIX」が7周年、ヤノベケンジの巨大アートが吹き抜け空間に登場』
『貴重なアーカイブ約200点、カルティエ日本上陸50年を記念した展覧会が開催』
『アンゼルム・キーファーの個展が25年ぶりに開催、6月29日まで北青山で』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら