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身近な素材から創り出された「祈りのかたち」、彫刻作家の久保寛子が展覧会を開催

古来日常にあった祈りを現代に置き換えた彫刻作品が集結

テキスト:
Hanako Suga
Hiroko Kubo
画像提供: ポーラ ミュージアム アネックスHiroko Kubo「Steel framed Goddess」2024年
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広島を拠点に活動する彫刻家、久保寛子の展覧会「鉄骨のゴッデス」が「ポーラ ミュージアム アネックス」で、2024年4月26日(金)〜6月9日(日)に開催される。久保はこれまで、作品のテーマでもある農耕や偶像を軸に、古来日常にあった「祈りのかたち」を現代に置き換えた彫刻作品を発表。これらの作品は、工事現場で使われるブルーシートや鉄、コンクリートなどの身近な素材を使って製作されている。

近年は、「瀬戸内国際芸術祭」や「さいたま国際芸術祭」などで、そのダイナミックなインスタレーションが注目を集めた。本展は、久保にとって初めての大型個展となる。

Hiroko Kubo
画像提供: ポーラ ミュージアム アネックスHiroko Kubo「泥足」2015〜16年

久保の作品は、先史芸術や文化人類学の学説などを着想源に創り出されてきた。作品の多くは神像や土器として表現されており、厳しい自然環境に身を置きながらも、古くから祈りをささげながら生きてきた人々のエネルギーを感じさせるものだ。

Hiroko Kubo
画像提供: ポーラ ミュージアム アネックスHiroko Kubo「Street Amulets - Hand ストリートアミュレット 手」2022年

展覧会名でもある新作「鉄骨のゴッデス」や巨大なブルーの足「泥足」は、防風ネットを使って製作した大型作品。そのほか、コンクリート製の「アミュレット(魔除け)」、ブルーシートを使った土器などの立体作品が約60点展示される。

また、ポーラ銀座ビル1階のウィンドーでは、会期に併せて平面作品の展示も予定。能登半島で大地震が起き、自然災害をきっかけに「命」を考えるきっかけが多い今だからこそ、ぜひ足を運んでほしい展示だ。

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