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「デューン 砂の惑星PART2」について知っておくべき8のこと

SFスペクタクルアドベンチャー作品の続編のストーリーやキャストはどうなる?

Jon Hornbuckle
テキスト:
Jon Hornbuckle
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
Dune (2021)
Photograph: Warner Bros.
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フランク・ハーバートの想像力豊かなSF小説の大作シリーズ「デューン」は、我々が考えていたほど脚色不可能な作品ではなかったことが判明した。デヴィッド・リンチが1984年に手がけた映画化は愛すべきものだったが、欠陥があった。一方、ドゥニ・ヴィルヌーヴは政治的謀略、植民地批評、IMAXスケールのアクション、巨大なサンドワームなど、全てを詰め込んで贅沢な映画に仕立てたのだ。

映画ファン(とHBO Max加入者)の支持を得てその「DUNE/デューン 砂の惑星」が大成功したおかげで、日に日にクールになっていくキャストとともに第2弾「デューン 砂の惑星PART2」(以下、パート2)が製作されている。その中では、メインキャストであるティモシー・シャラメ、オスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソン、ジェイソン・モモア、ゼンデイヤはもちろん、エキサイティングな新キャストが勢揃いするという。

まだ観ていない人にはネタバレ注意であるが、「DUNE/デューン 砂の惑星」は、ポール(シャラメ)とジェシカ(ファーガソン)が、アラキスの砂漠の原住民であるフレメンの中に身を置くという、話の続きを期待させるような終わり方で幕を閉じた。

パート2がどう物語を引き継ぐかについて、以下に紹介する。

1. 公開はいつ?

世界中の映画館で2024年に公開される予定だ。第1作はパンデミックの影響で、HBO Maxで同時公開されたが、パート2は映画館のみでの封切りとなる。

「前作の成功は、2作目を作ることができるということであり、ハーバートの小説の後半を完成させることができるということ。最初に観られるのは映画館のみとなります。これは契約の一部なんです」と、監督のヴィルヌーヴは「ヴァニティ・フェア」誌に語っている。

2. 引き続き登場するキャストは?

シャラメとゼンデイヤは、それぞれポール役とフレメン戦士であるチャニ役でアラキスに戻ってくることが決定している。前作でチャニはポールの幻視する中に時折登場する、かなりあいまいな存在だったが、ゼンデイヤはパート2ではもっと重要な役を演じることになるだろう。ロマンスは、太陽に焼かれた砂漠でも起きるのだ。

彼らに加わるのが、ポールの母であるレディ・ジェシカ役のファーガソン。彼女は女性集団、ベネ・ゲセリットの一員で、息子とともにアラキスに置き去りにされている。またジョシュ・ブローリンは、リンチ版でパトリック・スチュワートが演じたアトレイデス家の恐ろしい軍師、ガーニイ・ハレック役で戻ってくる。

アトレイデス家の重要人物で再登場しないのは2人。監督が予期せぬフラッシュバックでも用意していない限り、オスカー・アイザック演じるレト・アトレイデス公爵とジェイソン・モモアが演じる剣の達人ダンカン・アイダホを、パート2で見られることはなさそうだ。

ハビエル・バルデムとステラン・スカルスガルドは、それぞれフレメンのリーダーであるスティルガー役と、貪欲で油を浴びるウラジミール・ハルコンネン男爵役として再び登場。ハルコンネン家の当主として、 スカルスガルドが演じるスパイスに飢えたリーダーは、本作の主要な悪役となる。

また、彼のおいであるグロス・ラバン役はデイヴ・バウティスタ。デヴィッド・ダストマルチャンは、ハルコンネン家のメンターと(高度な推論能力を持つ人間電算機)、パイター・ド・ヴリース役で戻ってくる。

Dune
Photograph: Courtesy Warner Bros. / Legendary PIctures

3. 新キャストは?

待望の続編がさらに盛り上がりを見せているのは、新キャストへの期待もあるだろう。新戦力はまさに「Aリスト」級の豪華な顔ぶれだ。まずは、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥ、2021年に公開された「ブラック・ウィドウ」のフローレンス・ピュー、本人も「キング」そのものといえる「エルヴィス」のオースティン・バトラー、そしてクリストファー・ウォーケンもいる。

セドゥが演じるレディ・マーゴットは、アラキスを拠点とするベネ・ゲセリットの一人で、メンバーのジェシカとは異なるアジェンダを追求することになる。

ピューはイルラン・コリノ王女を演じ、バトラーはハルコンネン男爵のおいで、ポールと対決する戦士であるフェイド・ラウサ(リンチ版でスティングがメタルパンツをはいて登場)を演じる。あの悪名高いパンツ彼と一緒に登場するのだろうか? おそらく、それはないだろう。 

ウォーケンは既知の宇宙を支配する皇帝であり、物語の二次的な悪役であるシャダム4世役で、特徴的なイントネーションと強烈なカリスマ性を披露する。この皇帝はきっと報復ムード満点のはずだ。

4. 監督は誰?

この続編のために再びディレクターズチェアに座るのは、もちろんヴィルヌーヴだ。「メッセージ」や「ブレードランナー 2049」の監督でも知られるヴィルヌーヴにとって、「DUNE/デューン 砂の惑星」はこれまでの彼の作品で最高興行収入を記録した作品。前作同様ジョン・スペイツらとタッグを組み、第2弾の脚本も共同執筆している。

5. 何が起きる?

監督はポールとジェシカが率いるアトレイデス家の残党が、前作の大惨事の後に再建を試みるという「より強烈な続編」を約束している。

監督はタイムアウトに対し「ポールとジェシカはフレメンの文化に受け入れられ、その中に溶け込み、一体化していきます。私がこの小説で好きな部分の一つです。彼らは砂漠のやり方を学びます。そして、ポールは未来を予見し、父のかたきを討つために自分の中に湧き上がる力をコントロールすることを習得しなければなりません。『デューン』は悲劇なのです」と語った。

また、フレメンのリーダー役として戻ってきたバルデムについては、映画ファンにとって予想外の展開が待っているようだ。監督はカンヌで記者団に「脚本の新しい草稿を読んだが、観客を驚かせるような形でパズルのピースを組み合わせるという、素晴らしい仕事をしたと思う。もちろん本を読んでいる人には、物語上の驚きは少ないかもしれない。ただ、そのまとめ方には驚くでしょう。私はとても感動しました」と述べている。

6.「サンドワーム乗り」は見られる?

このハーバートのSF小説シリーズ(および1984年のリンチによる映画化)のファンが、1作目でサンドワーム(砂虫)に乗るシーンが登場しなかったことに失望していたとしても、パート2ではこの巨大な筒状の地下生物の期待通りの動きが見られそうだ。監督もこう話している。「答えはこうです。『はい、もちろん』。物語が要求するのであれば、ですね」

「サンドワームワーム乗り」はフレメンの主な移動手段。ポールはその技術を学び、ベネ・ゲセリット仕込みの力とともに使いこなさなければならない。監督は続編について「より映像的で、よりセリフの少ない」作品と表現し、全体的にアクションが増えることを約束している。 

7. ロケ地はどこ? いつ撮影された?

撮影開始は2002年夏頃から。アブダビのルブアルハリ砂漠、ヨルダンのワディ・ラム、ノルウェーのスタ半島などが、ロケ地として挙げられている。

8. 次の映画やテレビのスピンオフの可能性は?

「デューン」の世界はまだまだ続きそうだ。監督はすでに「デューン 砂漠の救世主」を基にしたシリーズ第3弾の製作に興味を示している。

彼はスクリーン・デイリー誌に対し「『デューン 砂漠の救世主』は美しい映画になると思う。ポールの旅を完結させるだろう。ただ、一度に一つしか作れないし、手をつけるとなるととても難しいものですね。さらに、私は少し怠け者で……。でも3作目の可能性はあると思いますよ」と話した。

さらに、ヴァニティ・フェア誌にも「パート2をできるだけ早く作りたいと思っています。そして、シャラメがもう少し大きくなるまで、数年待って最終章をやるつもりです」と語っている。

また、HBOは「Dune: The Sisterhood」というタイトルのスピンオフシリーズを開発している。これは前日譚であり、「デューン」の世界にジェダイともいえる神秘的なベネ・ゲセリットを探求するものだ。 

脚本家のスペイツはロサンゼルス・タイムズ紙に次のように語っている。「ストーリーテリングの世界として、『デューン』には並外れた可能性があると思います。数千年にわたる文明があり、政治的陰謀、精神的探求、戦い、古代の報復に巻き込まれた人々の多くの学派や部族があるのです。この宇宙では永遠に物語を語り続けることができますが、そこまで先の計画を立てるのは、運命を狂わせるようことになるのではないかと思っています」

つまり、続報を引き続きウォッチしよう、ということだ。

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‘Dune: Part Two’: everything you need to know(原文)

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