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新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけにキャンセルが増えたり、予約数が激減したりと様変わりした飲食業界。そんな中注目したいのが、実店舗のある飲食店やアパレルをウェブ上に集め、24時間365日「シャッターの閉まらない商店街」をコンセプトに作り上げたオンラインサイト『アーケードトーキョー』だ。
同サイトには、日本酒バルの先駆けである中野青二才や変幻自在なスパイス料理を楽しめるミスター・スパイサー(Mr. Spicer)、アパレルからビールまでさまざまなプロダクトをリリースするモモゾノクラフトといった、個性豊かな8店舗が軒を連ねる。
オンラインという形でありながら、「昭和の商店街」のようなエモーショナルな場を実現すべく作られたサイトの背景について、青二才取締役兼アーケードトーキョー商店街長の佐々木晋に話を聞いた。
ー「シャッターの閉まらない商店街」がテーマのオンラインサイト、アーケードトーキョー立ち上げの経緯を教えてください。
2020年に発令された緊急事態宣言がアーケードトーキョー立ち上げのきっかけです。飲食店の営業が思うようにできない中、雨や風をしのぐ商店街のアーケードのように、新型コロナウイルスさえもしのげる場をウェブ上に作りたいと考えました。
「ソーシャルディスタンス」という言葉が当たり前になり、
ー初めに展開したのはどんな店舗でしたか?
アーケードトーキョーがスタートした当初(2020年9月15日)は、飲食店への休業要請によって酒類に関しては仕入予定だったものを中止したり、賞味期限が切れて、廃棄処分をするということが続き、業界全体で厳しい状況に直面しました。
弊社が運営する日本酒バル、中野青二才でもメインとなる日本酒の仕入れが激減。「(事業)継続が危ぶまれる酒蔵を盛り上げるために何かできないか?」と考えた末にたどり着いたのが、酒蔵とのネットワークを生かしたサブスクリプションサービスの企画でした。
そして、生まれたのが「おうちでお酒と旅をしよう!」をコンセプトに、全国の酒と食品の詰め合わせが自宅に届く『酒ツーリズム』という旅感覚で楽しめる日本酒のサブスクリプションサービス(月額5,000円から体験可能)です。
2020年9月に展開した第1弾は、遅れて来た夏祭りをイメージして、「大人の夏祭り」をテーマに商品を厳選。屋台でなじみの料理を贅沢なつまみ風にアレンジし、懐かしさを感じるラムネや夏酒と共に提供しました。月に1回普段とは違う楽しみを感じてほしいという思いから、単に日本酒と料理を提供するのではなく、毎月面白みのある組み合わせになるように工夫しています。
ー酒蔵とのネットワークを生かした店舗が、ほかにもあると聞いたのですが。
先ほどお話した通り生産量の激減が予想される日本酒ですが、その文化を守るべくクラウドファンディングで立ち上げたブランドが『WAX&WANE(ワックス・アンド・ウェイン)』です。
「今まで日本酒に縁があまりなかった人たちにも日本酒を楽しんでもらいたい」という思いから12の酒蔵と連携し、見た目も華やかで、ほかでは飲めない限定日本酒を販売しています。
瓶を包んでいるタイダイ柄の手ぬぐいはアーティストのユキダイさんが手がけたもので、酒の味や蔵元の立地、人柄をイメージしたデザインになっています。ギフトとして活用される人も多いですね。
ーそのほかの注目店を教えてください。
2022年2月10日から、生産者の顔が見えるスイーツブランド『bonnie(ボニー)』の『作りたてカスタードプリン』(4個入り2,400円、6個入り3,600円)の販売をスタートしました。
八王子にある磯沼ミルクファームの搾りたての牛乳と、袖ヶ浦市の北川鶏園による産み立ての卵を使ったプリンは、化学調味料無添加、保存料無添加、合成着色料無添加と安心・安全。ほろ苦くて優しいけれど、どこか懐かしい味わいはぜひ一度体感してほしいですね。
ー今後、さらに挑戦していきたいと思っていることはありますか?
「宅食を楽しく、外食をもっと楽しく」をモットーに、実店舗とオンラインどちらでも購入できる、旬の素材を使った家庭用レトルトフードの開発と販売に力を入れていく予定です。保存料を使わず、素材そのものの味わいや食感を生かす料理にこだわりたいと考えています。
ー最後に、アーケードトーキョーのこれからの展望について教えてください。
オンラインとリアルを、よりシームレスなものにしていけたらと考えています。店舗に行けない間もECを通せば自宅で店の味が体感できるし、実店舗ではさらにスペシャルな食体験が提供できる場と捉え、双方で違ったコミュ二ケーションが持てるといいですよね。人と人とのつながり、店とのつながりをさまざまな形で体感できる場を作っていきたいと思っています。
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