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2023年夏、ロンドン市民は深刻な「バービー熱」に見舞われた。グレタ・ガーウィグに憧れ、ピンクのキラキラしたアイシャドーに夢中になり、自分の仕事は「ただビーチにいること」など、事実にいろいろ逆らって主張する、というのが症状だ。涼しくなってくれば、比較的平常心が戻ってくるかと思いきや、そうはならないかもしれない。
ロンドンの「デザインミュージアム」が、バービーファンの熱烈なピンクの炎をさらに燃え上がらせる展覧会を開催すると発表したのだ。この展示は、カリフォルニアにあるバービーの公式アーカイブに特別にアクセスすることを許可された同館が掘り出した、バービーの65年の歴史を物語るパステルカラーの「宝物」で構成される。
この開催タイミングは完璧に思えるが、実は3年越しで計画されており、映画が公開されるずっと前から予定されていたという。
デザインミュージアムでの展覧会ということで、当然部屋に「おもちゃ」を並べるだけでは終わらない。同館は展示について「ファッション、建築、家具、乗り物のデザインなど、デザインのレンズを通してバービーの世界を探求する」と説明している。実物大の「夢の道場カサ・ハウス」や、おしゃれなピンクの車が展示されることを期待しよう。
そしてこの展覧会では、バービー誕生の大物語にも迫ることになると思われる。
バービーは元々、リリというドイツの人形に影響を受けて作られたキャラクターだ。リリはタバコ屋やバーで買えるジョークグッズとして作られたものだったため、あからさまにセクシーなプロポーションをしていた。しかし、マテル社の創業者の一人である女性クリエーターのルース・ハンドラーにとっては、それが意外なインスピレーションとなった。
そうして、当時流行していた「赤ちゃん人形」ではなく、大人の女性に見えるようデザインされた人形、バービーが誕生したのだという。
この物語の続きが知りたいバービーマニアは、2024年7月5日(金)に予定されている展覧会のスタートを楽しみに待とう。
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