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虎ノ門ヒルズの「トウキョウ ノード(TOKYO NODE)」で、デザインを体感する展示「デザインあ展neo」が、2025年4月18日〜9月23日(火・祝)の会期でスタートした。
本展は、子どもにデザインについてさまざまな思考・発見を楽しんでもらう、NHK「Eテレ」の番組「デザインあneo」のコンセプトを、体験の場へと展開したもの。全国を巡回した前回からおよそ4年ぶりの開催となり、第3期となる展覧会では、番組のコンセプトはそのままに、新たなテーマの新作を公開する。
体を動かしながら、日常に関わるデザインの世界に没入できる会場では、どんな世代でも楽しめる普遍的な面白さが広がっている。
テーマは「動詞」
テーマは、歩く・食べる・座る・持つといった日常に転がる「動詞」。デザインが日常の行為をどのようにつなぎ、どう作用しているのか、体を使って体験し、人間の営みとデザインの関わりをさまざまな視点から見ていく。


注ぐ・読む・照らす・縫う・拭くなど、一日を振り返ると、朝から晩まで動詞の連続だ。食べようとする動詞が並ぶ「ひとくち あーん」では、箸やスプーン一つとっても、こんなにも動詞があるのかと改めて発見がある。デザインが、動詞と人との間にあることが感じられるだろう。

食べられる気持ちになれる巨大な箸「たべられるきもち」で、箸にも挟まれてみてほしい。
日常はデザインの連続
「日常生活にデザインと関わりのないものは何一つないのであれば

白米、ハンバーグ、サンドイッチ、プリンアラモードが映る作品「おいしそう!?」では、それぞれ大きさ・焼き加減・ソースの量・角度・ズーム・具の量・デコレーション・硬さ・暑さ・温度・湯気・切り方といった度合いが選択でき、それがデザインとして完成する。

「おのまとぴーす」は、食感を表すオノマトペの積み木で遊べるもの。肉まん一つでも、あらゆるオノマトペが存在し、その多彩さに言葉の面白さを実感する。

「もちてのむれ」では、ドアノブ、ゴルフ、ハサミ、クリップ、はんこといった、あらゆる「持ち手」が大集合。何の持ち手かじっくりと観察したい。
新たな視点を感じながら体を動かしまくる
会場では、大人も子どもも体をどんどん動かす。そして、集中すればするほど面白い。

箸で挟んだちくわを、パイプに当たらないようにゴールに移動させる「もちはこびトライアル」。かなり集中力が必要だ。


「こわすとなおす」は、大から小までさまざまなサイズのつぼが壊れ、それを再び組み立てられる。「捨てる」をテーマとした「るてす」では、扇風機の風が発動すると、天井のごみ箱にごみ袋を入れる。
どれも新たな視点を感じながら体験でき、ユーモアにあふれているものばかりだ。
大迫力の360度のスクリーンでデザインに没入
360度のスクリーンに囲まれて映像と音楽を身体で感じる空間では、身の回りのものが分解し、解散と集合を繰り返すコマ撮りアニメーションや作り手と道具の映像が流れる。

それぞれの職人が靴、わっぱ、くし、おろし器などを作っていたり、トランプ、もち、ピーマン、靴の素材がバラバラになったり、キノコや米が集まり寿司やエノキになったりする映像は、大迫力のスクリーンで没入しながら楽しめる。
体験型映像の「デザインどっちでショー」
クイズ番組のような体験型映像「デザインどっちでショー」も登場する。

「給食の牛乳では、紙パックと瓶どっちがいいか」についての参加型ディベートショーで、それぞれの飲みやすさ、扱いやすさ、リサイクル方法などをキャラクターが解説。そして、鑑賞者がどちらかを選んでいく。


最後に、展覧会グッズでは、「あ」のモチーフの形をしたクッションや「あ」が絶妙な位置にある丈夫なトートバッグなど、デザイン性にあふれたアイテムが満載。土産などに持ち帰りたいものばかりだ。
体を使ってデザインを感じまくれる本展。見終わった後は、きっと日常が違って見えるだろう。ここには書ききれていないが、ほかにも遊べる作品がたくさんあるので、思い切り楽しんでほしい。
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