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東急大井町線と東横線が乗り入れる街、自由が丘。雑貨屋やカフェでにぎわう駅前から少し歩いた閑静な住宅街エリアに、デイリー スタンド バイ ニュー ヴァレー(Daily Stand by NEW VALLEY)がオープンした。「今日飲むワインとコーヒーの店」をコンセプトに、自家焙煎(ばいせん)のコーヒーや厳選されたナチュールワイン、クラフトビールを取りそろえている。
コーヒーショップとワインショップの顔を持つこの店は、二子玉川のワインショップ、ニュー ヴァレー(NEW VALLEY)の姉妹店。約10平方メートル(3坪ほど)のこぢんまりした店内には、常時40〜50本のワインと15〜20種類のビールが並び、コーヒー豆は自家焙煎以外にゲストビーンズも購入することができる。
コーヒーは豆の購入だけでなくテイクアウトも可能。テイクアウトメニューはドリップコーヒーやコールドブリュー、牛乳の優しい甘さとコーヒーの柔らかいコクが合わさった大人のコーヒー牛乳、『ミルクブリュー』というちょっと変わったメニューもおすすめだ。
所狭しと並ぶワインの中には、入手困難といわれる貴重なものも多い。ほかの酒屋にはなかなかできないラインアップを支えるのは、インポーターとして15年ものキャリアを持つオーナー、千葉芳裕の存在だ。以前は自宅でワイン好きやワインの生産者、飲食店の人たちを集め、夜な夜な勉強会をしていたこともあり、ニューヴァレーはそのコミュニティーの延長線とも言える。店名の由来は千葉の「ムーミン」というあだ名にちなんだものだとか。
フランス、ブルゴーニュ地方のシャルドネ『L'Equilibriste』(5,500円)は、酸化防腐剤を使わない高い醸造技術と徹底した畑の管理から生まれた、まだ若いワインだ。
『Le Jaja du Fred』(7,040円)は、伝説的な造り手といわれるガヌヴァの畑で採れたジュラのブドウとほかの地域のブドウをブレンドして造られたもの。個性と面白さが光るピノ・ノワールは、日本でも取り扱いが少ない貴重な1本。
『Champlitte』(4,290円)は、チャーミングな味わいの黒ブドウに白ブドウを混ぜて香りを引き出し、淡い色で気軽にごくごく飲める赤ワインだ。
ワインだけでなく、レアなクラフトビールも豊富にそろう。ユナイテッドアローズと静岡市用宗漁港のクラフトビール醸造所、ウエスト コースト ブルーイング(West Coast Brewing)がコラボレーションした『#refresh』(1,100円、すでに完売)は、マンゴーピューレとライムピューレが入ったトロピカルなサワー。ビールに不慣れな人にもおすすめしたい。
大きな酒屋で買えるワインは、多く流通しているもの。飲む人の知的好奇心を満たし、しゃれたレストランでしか飲めないような「旬のワイン」との出合いを作りたい、遠くの街やレストランまで飲みに行かなくても近所でおいしいワインをそろえ、街に根付いた「酒屋」こそ、デイリースタンドバイニューヴァレーの目指す姿だ。造り手の思いが詰まったワインを適切に消費者に届けられるよう、店頭売りがほとんどというこだわりもある。
1本出たら次は来年。そんな貴重な出合いを楽しめる自由が丘の小さな酒屋は、毎日11時からオープンしている。
テキスト:阿部仁美
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