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美しい青の内装に注目、ハブモアカレーが渋谷へ移転オープン

異国情緒あふれる店内でローカライズされたスパイス料理を堪能

Hisato Hayashi
テキスト:
Hisato Hayashi
Editor/Writer
ハブモアカレー
Photo: Kisa Toyoshima
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「野菜とスパイスとインド飯」をコンセプトにした滋味深いカレー定食を提供するハブモアカレーが、2021年3月10日に表参道から渋谷区猿楽町に移転しリニューアルオープンした。プレオープン時からカレーマニアの間で話題を集めていたが、実際に足を運んでみるとその理由がよく分かる。オーナーシェフの松崎洋平がこだわりを形にすることで、魅力を増してリニューアルを遂げていた。

代官山 ハブモアカレー
Photo: Kisa Toyoshima

ハブモアカレーの魅力

リニューアルについて語る前に、ハブモアカレーについておさらいしたい。

元々は音楽業界にいた松崎。食べ歩きをする中で徐々にカレーの魅力にのめり込み、自身でも調理を始め、新宿にあるカレー店、草枕に入って本格的にカレーの道へ。2014年からは月2回の間借り営業をスタートさせ、その翌年の10月に表参道での実店舗オープンを果たした。

代官山 ハブモアカレー
Photo: Kisa Toyoshima

ハブモアカレーのルーツは、「野菜」と「サンフランシスコ」にある。まず、野菜は信頼を寄せる農家から直接買い付けを行い、旬のものから普段あまり見かけることのない西洋野菜まで鮮度の高いものを仕入れている。素材だけでも十分に味わえる野菜を、カレーや副菜に具としてもふんだんに使い、その端切れはベジブロスにして各料理に忍ばせている。ヘルシーでありながら、うま味の量が半端ではない。

一方、サンフランシスコは松崎が過去に6年ほど暮らしていた土地だ。そこで食べていた料理の多くは、地元民の舌にうまくアレンジされたもので、強く印象に残っていたそう。同店を始める際に、「ローカライズ」「フュージョン」を意識したメニューを考えた結果、インドや東南アジアのカレーではなく、また草枕のそれでもない、日本人の味覚に寄り添うスパイス料理となった。

代官山 ハブモアカレー
チキンカレーにも角切り野菜が贅沢に使われている(Photo: Kisa Toyoshima)

野菜を生かす丁寧な調理と、ローカライズ、フュージョンの感覚。このバランスの妙が「野菜とスパイスとインド飯」というありそうでなかったコンセプトを体現したオリジナルカレーを生み、多くのファンを獲得してきた。

昼も夜も楽しめるレストランへ

リニューアル後ももちろんコンセプトは引き継がれているが、食事メニューはモデルチェンジされた。ライス、2種のカレー、3種の付け合わせのプレートの選択肢のみだったが、2種のカレーとライスのセットが2パターンに増え、『野菜カレーと豆カレーのセット』(1,000円)と『チキンカレーと豆カレーのセット』(1,100円)になり、付け合わせはオプションとして選べるようになった。

代官山 ハブモアカレー
『チキンカレーと豆カレーのセット』に、東南アジアの食堂感のある『フライドエッグ』と白菜のうま味が全開の『インド風ポタージュ』を追加(Photo: Kisa Toyoshima)

ドリンクメニューも、ハーブティーが『ストレートティー』(500円)に変わり、『レモングラスティー』や『黒カルダモンのジュース』などが追加された。アラカルトやデザートもこれから充実していく予定とのことで、楽しみ方の幅が大きく広がりそうだ。

代官山 ハブモアカレー
Photo: Kisa Toyoshima

都心から異国へトリップ

また、店の雰囲気も大きく変貌している。地下1階にあった店舗は路面になり、店内は、草枕時代の同僚であるデザイナーの宮崎希沙によるディレクションのもと、床から壁、天井までさまざまなトーンの青で彩られている。入り口にあるイラストレーターのkameによる柔らかい壁画も印象的だ。

代官山 ハブモアカレー
Photo: Kisa Toyoshima

入り口正面の階段を上がると窓際のカウンター席、右手の階段を降りると半地下のフロア席という造りもどこか異国の香り。もちろん食事もインド亜大陸の香りがし、どこか遠い国へ旅をしているかのような気分にさせてくれるムードがある。

代官山 ハブモアカレー
Photo: Kisa Toyoshima

これらは全て、表参道時代にはかなわなかった松崎の理想を形にしたもの。ぜひこの機に足を運んでほしいが、アラカルト含めまだまだ完成ではないことも確か。つまり、今後さらに魅力に磨きがかかるということでもある。すでにファンだった人も、これから食べる人も、もっとハブモアカレーを楽しんでほしい。

代官山 ハブモアカレーの詳細はこちら

テキスト:組橋信太朗

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