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肉感的な色彩で女性像を描く、ペロタン東京で「クリスティーナ・バンバン展」開催

バルセロナ出身のアーティストによる初来日展示

Honoka Yamasaki
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Honoka Yamasaki
「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima
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六本木駅から少し歩くと、路面に面した一面ガラス張りの建物が目に見える。物静かで趣がありながらも、ビルの中庭から中の様子が伺えるため、通りすがりの人でも入りやすい。ここは、パリを拠点とした6都市に展開するギャラリー「ペロタン東京」だ。

本記事では、2023年8月19日(土)まで開催している「クリスティーナ・バンバン展」の様子を紹介する。

「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima
「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima

ガラス越しに光を浴びたバンバンの作品は、エネルギッシュな印象を与え、一目で人を惹きつけるほどのインパクトがある。絵画の中心となる女性像は、ヨーロッパのモダニストによる造形を連想させる要素と、身体性を抽象化した痕跡を併せ持っているのが見て取れる。

「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima

作品に近づいてみると、さらに新しい発見が。それは、キャンバスから飛び出てきそうなバンバン独自のタッチだ。素早くも緩やかな筆使いと鮮やかな色彩が織り重なる。絵の具の肉体的な施し、複数の胴体、線の並置の集合体により、一筆一筆に引き込まれていく。

「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima
「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima
クリスティーナ・バンバン展
Courtesy of the Artist and Perrotin. Photographer: Albert Font

エネルギッシュで人々を魅了する数々の作品を生み出し続けている源は、変化にあるという。創造におけるプロセスについて、バンバンに尋ねた。

「変化はプロセスの一部であり、同じことを繰り返すことへの恐怖から生まれています。私は常に自由を求めていますし、そこにある『創造』が芸術家としての私を導いてくれているのです。

今すぐに、新しいものを生み出そうと急ぐ必要はありません。アートに対して義務感を抱くと、自由を失ってしまい、身動きが取れなくなってしまうからです。今回の個展で、日々私が探求してきたことを感じてもらえるでしょう」

「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima
「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima

展示会の開催に合わせて、初のモノグラフも発表。2021〜2023年の作品と図面のコレクションが収められている。バンバンは出版を通して、作品の変化を紹介しつつ、今までの歩みを整理する良いきっかけになったと語る。

「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima
「クリスティーナ・バンバン展」
Photo: Kisa Toyoshima

最後に、東京での個展開催の心境を伺ったところ、常に想像力を働かせ、変化を求めていると回答。「新しいお客さんに私の絵画をお見せできることをうれしく思います。東京という街と文化を学び、新たなインスピレーションを得られることが楽しみです」と答えてくれた。

この夏はペロタン東京で、今しか見られないバンバンのニュアンスに富んだ作品の数々を鑑賞しよう。

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