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2022年1月、クラフトビール醸造所のオケイ ブルワリー(OKEI BREWERY)がオープンする。醸造所の稼働開始に先行して、現在、併設のビアレストランが営業中だ。
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新橋に明るい人なら、「オケイ」という名に聞き覚えがあるかもしれない。運営を手がけるオケイ(okéy)社は、15年以上にわたって新橋駅周辺エリアで、ビバ!オケイ(Viva okéi)、ピッツェリア テルツォ オケイ(Pizzeria Terzo Okei)などの飲食店を展開してきた。
しかし、昨年来のコロナ禍で、ビジネス街である新橋の店舗は大きな打撃を受けた。同社は、その打開策としてエリアと業態分散を慣行。日暮里にクラフトビール工場を設立し、ビールの醸造をスタートさせるのは、その動きの一環でもある。「いずれは自分たちの店で自分たちのビールを提供したいという夢の実現の第一歩でもあります」と、代表の片寄雄啓(かたよせ・たけひろ)は語る。
併設のレストランは、醸造所稼働に先駆けてすでに2020年10月末にオープン。店内には10タップを設置しているが、現在はほかの醸造所のビールを提供している。これが、1月からは工場で醸造したビールになる。
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店が位置するのは日暮里駅から徒歩7分程度の住宅街。80軒以上の生地を扱う店が集う、日暮里繊維街からは目と鼻の先だ。
「お客さまは、何か新しい店ができたようなので入ってみた、みんなが楽しそうに飲んでいるからと、ふらりと立ち寄ってみたといった方がほとんどです(笑)」(片寄)
店のアイコンはサングラス。入り口やオリジナルのグラスなど随所に、このサングラスが描かれている。片寄は、「ビールというと、夏にサングラスというイメージもありますし」と笑う。そのサングラスのモチーフを大胆にあしらった工場のエントランスは、おしゃれな眼鏡店と見紛うほどだ。「誰もビール店とは思わないんじゃないかな」(片寄)。
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フレンチ出身のシェフが手がける料理も興味深い。軽いつまみから、ビールとともにしっかりと食事が楽しめると同時に、『料理に合うビール』を探求したメニューがそろう。
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「居酒屋とフレンチの間くらいがいいのかなと、この方向性で行くことに決めました。一番出るのはフィッシュアンドチップス。瞬間スモークして提供するポテトサラダも人気ですし、焼き枝豆や肉も良く出ています。秋冬になってからは、ジビエのオーダーも多いです」
ビールの醸造を担う工場長に任命されたのは、松山陽介。 「僕らはビール造りの初心者。ペールエールとヘイジーIPAを作ることは決めていますが、まずはスタンダードなものから造っていこうと思います」(松山) 現在は、つながりがあるブルワリーや面識なくてもブルワリーを訪れて、味や醸造について猛勉強中だ。 「ビールができる過程を、お客さまも一緒に楽しんでほしいと思っています」と松山は続ける。
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2022年1月に本格的に始動する、地域密着のビール醸造所。その成長を見守ることができるのは、ビール好きにとって、間違いなくエキサイティングな体験となるだろう。
オケイ ブルワリー(OKEI BREWERY)の公式Instagramはこちら
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