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何をもって「クール」とするのか？ その答えは主観的になってしまうかもしれない。しかし、私たち全員が同意できる一つの基準は、クールであるためには「ほかとは違う存在」でなければならないということだ。タイムアウトでは、現在の映画シーンを支える大胆でユニークなアーティストをたたえるべく『世界で最もクールな映画監督50人（The 50 coolest filmmakers in the world right now）』を発表した。この中には、3人の日本映画界の巨匠がランクイン。誰が選出されたのか、予想できるだろうか。
賛否両論となるかもしれないが、ランキングに日本アニメ界のゴッドファーザー、宮崎駿は含まれていない。しかし、宮崎の手描きアニメーションが比類ないクオリティーであることは、すでに世界中で認められている。その結果、スタジオジブリの全てがアニメ界の話題を独占してしまい、日本に存在する素晴らしいアニメーターや映画製作者の作品が見過ごされてしまう傾向にあるのだ。
特定の監督の作品を観て育つとそれを好みとしてしまいがちになるが、近年発表されている気鋭作家たちの作品も同様に価値があるもの。ここでは、今日本で最もクールな3人の監督と、彼らの作品に触れるために観るべき映画を紹介する。
是枝裕和
是枝は、かつて小説家を目指していたという。社会的なテーマを織り交ぜながら、鮮烈な人生の一片を描き出す彼の才能からは、深い文学性を感じられるのもうなずける。パルムドールを受賞した映画『万引き家族』は、貧困や家族、法律、社会、そして「食」をテーマに、年金と万引で生計を立てる疑似家族を繊細に描いた傑作だ。（ーSophie Monks Kaufman）
最初に見るべき作品：『万引き家族』では、一見仲良く見える疑似家族の物語を、ディケンズ的な要素を超えて普遍的な感動を与える作品に仕上げた。
最新ニュース：是枝はNetflixと契約し、2つの新プロジェクトをプロデュースすると発表している。これまで手がけたことのないような作品になると語っている。
細田守
新世代を代表する天才アニメ作家の細田守は、宮崎駿を崇拝して育った。細田が『ハウルの動く城』の監督として招かれたものの、「創造性の欠如」を理由に解任された話は有名だが、『おおかみこどもの雨と雪』と『ミライの未来』ではアカデミー賞ノミネートの快挙を果たしている。（ーDavid Hughes）
カンヌ映画祭で発表した新作『竜とそばかすの姫』では、14分間のスタンディングオベーションを受けたことは記憶に新しい。細田が宮崎というヒーローの影から本当に抜け出すことができたことを証明する瞬間だった。
最初に見るべき作品：『ミライの未来』は「スタジオジブリの作品ではないジブリの傑作」。全てのフレームが想像力で弾ける、ねじれた『クリスマス・キャロル』のリフのような作品だ。
新海誠
宮崎駿ほど国際的にブレイクしている日本人監督はほかにいない。しかし、アニメ界の新星の中で、新海誠はその状況を変える可能性が最も高い監督の1人だ。新海の作品は、宮崎と同様に自然や超自然をモチーフにした壮大なファンタジーであることが多い。また、宮崎作品のように人間の細部まで細かく表現するタッチでも知られる。新海と宮崎を比べるのは避けたいところだが『君の名は。』とそれに続いて『風立ちぬ』が上映されて以来、2人の監督との比較が定着しつつあるのは事実だ。（ーDan Jolin）
最初に見るべき作品：『君の名は。』が公開されて以来、ラストシーンに登場する須賀神社に参拝する熱心なファンは後を絶たない。多くの人を魅了したこの映画は、近い将来ハリウッド映画化が決定している。
最新ニュース：『天気の子』から3年。2021年12月15日に開かれた会見では、深海による最新作が2022年秋に公開されることが発表された。会見の様子は、東宝のYouTubeチャンネルで見ることができる。今後は英語字幕も追加される予定だ。
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