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田名網敬一と赤塚不二夫のコラボレーションによる新作を公開する個展「TANAAMI!! AKATSUKA!! / 45 rpm」が、「麻布台ヒルズ」内にある「集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー」で開催。会期は6月30日(日)までを予定している。
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「TANAAMI!! AKATSUKA!! 」は、田名網が生前に親交があった赤塚への思いを馳せて生まれたスペシャルコラボレーションだ。本展では「回転」をキーワードに、2021年に稼働停止したグラビア印刷を使った作品シリーズ「Tanaami!! Akatsuka!! / Revolver」のアートプリントを、レコードジャケットとして展示する。
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また、ジャケットだけでなくレコード本体の制作も行われており、A面には赤塚と深い親交のあった坂田明による即興曲「Meehr!!」と、グラビア印刷機の音をもとにAnalogfishの下岡晃が作曲した「Revolver」の2曲を収録。B面には、2021年11月26日のTOPPAN川口工場でのグラビア印刷の音が収められている。
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会場では、大型機械による印刷の過程で生じるミスプリントを生かして制作された、さまざまなバリエーションのグラビアプリントジャケットを展示。LP盤サイズで45回転のレコードは会場で999枚限定で販売され、8,800円(1人6枚まで、以下全て税込み)で購入できる。また、田名網のサイン入りで、限定100枚の特別バージョンも5万5,000円で用意されるという。
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田名網はテント素材の茶室や掛け軸、屏風(びょうぶ)などを制作しながら、「着物」のデザインも進めていた。会場では田名網デザインのポップな着物をつるし、さまざまな角度から鑑賞できるようゆっくりと回転させる。着物は、8月に「国立新美術館」で開催される「田名網敬一回顧展」に合わせて販売される予定だ。
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そのほか、ギャラリーに併設する茶室「阿庵」には、グラビア印刷のシリンダー状の「刷版」を展示する。ここでは、モビール状につるしたレコード状の円盤を、刷版に反射させる形で映像を投影。巨大な万華鏡の世界に入り込んだような空間が作り出され、グラビア印刷の情景や田名網の制作風景、作品のクローズアップなどがカラフルな茶紙を駆け巡る。
田名網と赤塚の個性の融合、そしてグラビア印刷の魅力を凝縮したレコードはぜひ手に入れたいところ。気になった人は、早めに足を運んでおこう。
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