ニュース

マンダリンオリエンタル東京が、アジアのベストバー50の「BEE’S KNEES」とコラボ

BARも日常回帰、至福のカクテルを愉しむ

Tamasaburo
テキスト:
Tamasaburo
BAR評論家
マンダリンバー
Photo:Mandarin Oriental Tokyo, Mandarin Bar
広告

めくるめくBARの世界が帰ってきた。

2005年12月にオープンした「マンダリンオリエンタル東京」、その象徴ともいえる「マンダリンバー」は、モダンジャパニーズをコンセプトとし、日々の喧騒から逃れ、きらびやかな夜景とともに至福の時間を過ごすことができる。季節の日本酒などもそろえ、ヘッドバーテンダー小田健吾によるシグニチャーカクテルは、日本橋らしさも表現しており、日本酒もモクテルもそろえたラインアップは訪れる者を魅了してやまない。

マンダリンバー
Photo:Mandarin Oriental Tokyo

そんなモダンバーが2023年2月28日(火)まで、「アジアのベストバー50(Asia's 50 Best Bars)」に輝いた京都の「ビーズ ニーズ(BEE’S KNEES)」との期間限定コラボレーションを展開。オーナーバーテンダー山本圭佑と、ヘッドバーテンダー有吉徹の考案による4種の匂い立つミクソロジーカクテルを提供している。

2018年、京都にオープンしたビーズ ニーズは、アメリカ禁酒法時代のスピークイージーを彷彿させる隠れ家バー。ジン、レモン、ハニーから成る同名のクラシックカクテルが店名の由来だ。山本は店名について、イギリスの古いスラングでは「最高」という意味もあり、気に入っているそう。

20年から3年連続でアジアのベストバー50に輝く、日本きっての一軒。そんな京都のミクソロジーカクテルが、お江戸・日本橋マンダリンバーに登場とあっては、この機会を逃すわけにはいくまい。

「ビーズ ニーズ」オーナーバーテンダー山本と「マンダリンバー」ヘッドバーテンダー小田
Photo: たまさぶろ「ビーズ ニーズ」オーナーバーテンダー山本と「マンダリンバー」ヘッドバーテンダー小田

期間中は、アメリカ最古の蒸留所をルーツに持つプレミアムウィスキーブランド「ミクターズ」を使用した至極のカクテル4つ、「Queen Bee」「Gentlemen’s Martinez」「Hoji Tea Boulevardier」「Tiny Apple Buck」が愉しめる。

「Queen Bee」はクラシックカクテル「BEE’S KNEES」を、「ミクスターズUS★1」をベースにユズ、トリュフハニー、レモングラス、アップルなどを使用し現代風にアレンジした山本の作。ウイスキーベースの上、シェイクで仕上げるため白濁するが、少し置くとクリアな透明感も印象的な一杯だ。

マンダリンオリエンタル東京
画像提供:マンダリンオリエンタル東京「Queen Bee」

山本は「ウイスキーカクテルが苦手、という人にもお勧めできるカクテルに仕上げました。純粋に食事にも合うと思いますし、チョコレートなどと一緒でも引き立つと思います」、また「使っている素材がシンプルだからシンプルなカクテルなのではなく、さまざまな素材を使いつつ、結果的にシンプルに仕上がるのを目指しています」とその創作意図を明かした。

マンダリンオリエンタル東京
画像提供:マンダリンオリエンタル東京「Gentlemen’s Martinez」

「Gentlemen’s Martinez」も同様に山本作。こちらはマティーニの原型になったといわれるクラシックカクテル「マルチネス」とウイスキーカクテルのスタンダードとして名高い「マンハッタン」をツイストしたひと品。「ミクスターズUS★1」のコクを活かし、バニラとピーチの甘さが香るピーチメルバティーを使用。1日漬けた上にベルモットを使い透明度を出したミルクブリューコーヒーを加え、最後にパチェリで香りを付けしたモダンカクテルだ。

より奥行きがあり、リッチな甘みと爽やかな味わいが表現されている。 

「Hoji Tea Boulevardier」は有吉の作品。ネグローニはジン、カンパリ、ベルモットを使用、シンプルが故に今、世界でもっとも飲まれているカクテルだ。小田もやはり、マンダリンバーでも海外客から「オーダーされる頻度は非常に高い」という。

そのベースをウイスキーに変えたカクテルが「ブルーヴァルディエ」。そこにほうじ茶とビターチョコレートを調和させた同店のシグニチャーカクテル「Hoji Tea Negroni」のベースを、「ミクターズUS★1」で仕上げた。添えられたチョコレートもアクセントに。山本は海外に招待される際、このアクセントを羊羹にすることもあるという。

マンダリンオリエンタル東京
画像提供:マンダリンオリエンタル東京「Hoji Tea Boulevardier」

「Tiny Apple Buck」も有吉作。バターでグリルしたリンゴとシナモンを「ミクスターズUS★1」に漬け込み、これをベースにアップルサイダーを注いで、ミントとスターアニスをトッピング。シンプルですっきりしたカクテルなので、スターターにはもってこいだろう。

マンダリンオリエンタル東京
画像提供:マンダリンオリエンタル東京「Tiny Apple Buck」

山本は、世界のカクテルの潮流についても「10年ほど前、日本のバーテンディングは世界に広まり、原点回帰しました。しかし現在は、SNSなどで情報が世界に拡散され、日本のトップバーテンディングは世界のどこでも知られている。その国だけのオリジナルのカクテルが見えにくくなった。むしろ、カクテルやバーなどその背景にあるストーリー性に注目されることが多く『なぜ、あえて京都に出店したのか』と海外のセミナーで質問される機会も増えている」と眺めているという。それでも純然と「(バーテンダーとして)日本人であるアイデンティティーは残せると思います」と信念を持つ。

京都のエッセンスを含んだ世界を感じさせるモダンカクテルを日本橋で味わう。そんな時代に生まれた至福をぜひ味わいたい。

関連記事

田名網敬一×赤塚不二夫コラボ展に行ったのだ

GEZAN「あのち」リリースライブ初回公演を観に行った

わからないからおもしろい、「タグコレ」が提示するもの

代々木上原に桃源郷なスイーツショップ、「小楽園」がオープン

2023年に行くべき新施設とイベント10選

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら  

最新ニュース

    広告