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古き良き時代の面影をそのまま残した目白のレトロな珈琲専門店、「珈琲 伴茶夢」が2022年10月23日、リニューアルオープンした。地下にひっそりとたたずむ隠れ家のような同店は、目白駅からわずか徒歩1分。温かみのあるランタンの明かりがともる階段を下ると、たどり着く。
「伴茶夢」という店名は、アラビアではコーヒー豆やその樹のことをバンと呼び、その飲み物をバンチャムと呼んでいたことに由来している。「伴」(コーヒー豆)の「茶」を飲みながら「夢」を語り合ってほしいという願いから「伴茶夢」というネーミングに決めたそう。
1977年に創業し、学生やビジネスマンはもちろんのこと、ファミリー層も巻き込み、40年以上もの間変わらず地元の人々に愛されてきた。そして今回のリニューアルにあたり、「トラディショナルな純喫茶ではなく、現代の空気を取り入れたデザインにしてみてもいいのでは」と考え、壁画やアーチ型の仕切りをはじめとした独特の意匠やウッディーな雰囲気は残しつつ、老朽化した店内の一部をリノベーションした。
朱色と緑を基調とした家具や、テーブル席にはゆったりとくつろげるソファを導入。カウンター席には電源も設置し、色鮮やかなタイルの壁や明るい雰囲気の壁紙に張り替え、「どの席にいても良い席」だと感じられるよう改装を実施した。
レギュラーコーヒーは、すっきりした飲み口を大事にしたドリップ方式。アイスコーヒーはじっくりと風味を抽出する水出しと分けている。そして、店主おすすめの「スペシャルティ珈琲」は、1杯ずつ丁寧にフレンチプレスで淹れる。
定番のパンカレーシリーズ、ナポリタンなどのメニューはそのままに食事やスイーツも一新。喫茶店らしいクリームソーダをはじめ、「マヨトマチーズトースト」(500円、以下全て税込み)、「ジューシーハンバーグサンド」(700円)など気軽に食べられる軽食系のメニューのほか、「フルーツサンデー」(650円)といった自家製のスイーツを追加した。
とはいえ、同店に来たらやはり欠かせないのは、目玉メニューの「チーズ焼きパンカレー」(880円)である。甘みを感じる昔ながらのマイルドなビーフカレーに、とろ~りとろけるチーズ、しっとりとした食パンを組み合わせた個性的な逸品は、一度食べたらやみつきになること間違いなし。それぞれの素材の食感の対比を楽しみながら、じっくりと奥深い味わいを堪能しよう。
甘いものが恋しくなったら、新メニューとして追加された「どら焼き風ソフトクリームパンケーキ」(600円)をオーダーしてみよう。つぶあんを挟んだ3段重ねのパンケーキに、和風の抹茶ソースがかかったソフトクリームが見事にマッチ。とっておきのスイーツタイムを味わえるはずだ。
ドリンクをオーダーする際はこだわりのコーヒーに、ソフトクリームをプラスした「コーヒーソフトフロート」(780円)にも注目してみてほしい。程よく酸味で主張し過ぎない味わいのコーヒーと懐かしい甘さを感じるソフトクリームは相性抜群である。
「大人がくつろげる場を目指し、以前よりゆったりと過ごせるよう改装を行ったので、この店で過ごす一瞬を1日の活力にしてもらえたら」と、オーナーは来客を呼びかける。新旧が心地よく入り混じる店内で、ここでしか味わえないひとときを満喫してみては。
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