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「テキーラ」と聞き、罰ゲームや一気飲みなどを想起する人がいれば、その人は時代に取り残されているとしても過言ではない。今やテキーラの世界市場は様変わり、北米ではウオッカに次ぐ消費量を誇るスピリッツと化し、ハリウッドセレブがプレミアムテキーラに投資するなど、もはや珍しい出来事でもない。
北米で1兆円市場となっているそんなプレミアムテキーラの一つ「クラセアスール」が、2024年7月24日「テキーラの日」に合わせて、「恵比寿ガーデンプレイス」にメキシコのロス・カボス以外では世界初となる「クラセアスール ブティック ラ・ティエラ 恵比寿」をオープンした。ここでは本社のあるロス・カボスでしか購入できなかった限定商品を用意し、クラセアスールのブランドを発信していく。
なにしろクラセアスールのテキーラはデキャンタで数万円からスタートし、限定盤などは30万円を超えるプレミアム商品。一気に飲むような代物ではなく、ストレートだとしても、ウイスキー同様、ゆったりと味わいながら、喉を潤す逸品だ。
よって、このブティックもふらっと立ち寄りテイスティングの上、購入……という流れにはなっていない。全て事前予約制で、同時に2人までを受け入れる高級ブティックである。これには、創業者アルトゥール・ロメリの「体験を楽しんでほしい」という思いが反映されている。
ブティックを外から臨むと、印象的なのは正面に据えられたカウンター。これにはロサンゼルス出身の彫刻家イサム・ノグチが愛重した香川県の庵治石(あじいし・御影石の一種)を使用。また、テキーラの原料であるブルーアガベの育つ土壌とその地層をイメージした左官職人による土壁がバックボードとして設えてある。
クラセアスールの陶器のデキャンタもまた、土を材料としており、クラセアスールの創造性が根付くメキシコの 「大地(ラ・ティエラ)」 が、日本の土を使用した左官の技術と出会い、新たなハーモニーを生み出したというコンセプトだ。
2015年に公開された映画『007 スペクター』に描かれ、世界に知れ渡ったメキシコで最も重要で伝統的な祭典「死者の日」は、亡くなった家族や友人を現世に迎え、彼らとの記憶に思いを馳せる。
日本のお盆と重なるこの風習を表現するため、日本では墓石として使用される機会の多い庵治石(あじいし)を空間に織り込むことにより、日本とメキシコ双方に存在する故人とのスピリチュアルなつながりに敬意を示す文化をここに再現した。
オープンに際し、クラセアスール・アジア取締役の成田公倫は「100万円以上で販売されるような商品を扱う中、アジアのお客さまから『手に入らないか』と要望があり『それはメキシコに行ってください』と案内しておりましたが、なかなかそれも難しいため、アジアの拠点としてく東京に第1店舗をオープンしました」とコメントを寄せた。
取材時は、2023年「死者の日」限定モデルの「アロマ」といった実際に日本には未輸入だったレア物を披露。「レポサド」の375ミリリットル、200ミリリットルのセットなども扱っていくという。
ゴシック調テーブルの「脚」からヒントを得たデキャンタボトルは工芸品としてコレクターアイテムともなっている美しい仕上がりが特徴的。これを機に、先んじてコレクションとしても入手できる絶好の「場」が恵比寿に誕生した。
営業時間は月曜から金曜日の11〜18時(不定休)。公式LINEまたはlatierra_reservation@claseazulasia.comから予約できる。ぜひ足を運んでみてほしい。
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