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根津の「チャングラ」でネパール料理の魅力を堪能

ネパール風ピザからデザートまでコース料理並みのランチセット

テキスト:
Shintaro Kumihashi
チャングラ
Photo: Keisuke Tanigawa
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街にあるインド料理店の多くが「インド人ではなくネパール人の経営」という事実が徐々に認知され始めたと同時に、ネパール料理の認知度もじわじわと高まっているように感じる。とはいえ専門店はまだ多くはない印象だが、2022年6月1日にネパール本場の食事が楽しめるレストラン「チャングラ」が根津にオープンした。

チャングラ
Photo: Keisuke Tanigawa

食材を生かすスパイス使い

場所は、根津駅から徒歩2分の下町情緒あふれるエリア。モダンな店構えのチャングラは、一見今っぽいおしゃれなカフェのようだが、その実は「ダルバート」を中心に、奥深いネパール料理の魅力を感じさせてくれる本格的なネパールレストランだ。

チャングラ
Photo: Keisuke Tanigawa

ダルバートとはネパール式の定食のこと。ダル(豆のスープ)と、バート(ライス)でダルバート。そこにカレーやタルカリ(野菜のスパイス炒め)、サーグ(青菜の炒め物)などが付き、さまざまなスパイスの妙を味わうことができる。

北インドのターリーや南インドのミールスなど、各エリアに定食スタイルのプレートがあるが、食材が映えるような優しいスパイス使いで、どこか日本的な味覚に訴えかけるような滋味深さがダルバートの特徴である。

チャングラ
「チャングラセット」(Photo: Keisuke Tanigawa)

ネパール風ピザも付く豪華なセット

まず注文すべきは「チャングラセット」(2,200円、以下全て税込み)。ダルバートにチャタマリ(ネパール風の米粉ピザ)がプラスされ、ドリンクとデザートが付いた贅沢な一皿。 最初に運ばれてくるのはダルバートではなく、チャタマリだ。

「ネパール料理なのにピザ?」と思うかもしれないが、現地ではストリートフードとして親しまれており、程よいボリュームで前菜からネパールの食文化を感じさせてくれる。

チャングラ
チャタマリ(Photo: Keisuke Tanigawa)

日本人好みの滋味深い味わい

肝心のダルバートだが、バートは日本米、バスマティライス、マルシ(ネパールの赤米)の珍しいブレンドで香りが豊か。ダルもウラド、マスル、ムングの3種をミックスし、バターとジンブーを使った優しく奥行きのある味わいに仕上がっている。

チャングラ
Photo: Keisuke Tanigawa

カレーはチキンかマトンから選べるが、おすすめはマトンだろう。辛さは控えめで、仕上げに散らしているのはパクチーではなくネギ。間口は広いものの、シンプルなスパイス使いでマトンのうま味を引き立て、食感も柔らかく上品な味わいで完成度が高い。「チャングラセット」ではライスの上に乗ったセクワ(チキン串)が味わえることを考えると、カレーはぜひともマトンを選んでみてほしい。

ジャガイモのヨーグルトスープであるチュカウニをはじめそのほかの副菜も、派手さこそないがあくまで素材がメインになるような香りと味わい。それぞれを単品で、または混ぜながら食べ進めると、満足感がじんわりと全身に染み渡っていく。

チャングラ
Photo: Keisuke Tanigawa

食事の後は「ネパリ チヤ」(ネパールのチャイ)か「モヒ」(ネパールのラッシー)と、シクルニというヨーグルトのシャーベットで締めよう。料理もヘルシーだがデザートも甘さ控えめですっきりとした食後感が味わえる。端から端まで上品で深く、ランチセットながらコース料理並みの満足感が得られるはずだ。

チャングラ
Photo: Keisuke Tanigawa

より奥深いネパール料理の腕をふるうのはもちろんネパール人シェフ。自国の料理で勝負することを夢見ながら、クウェートの星付きホテルで腕を磨いてきたそうで、確かな味を提供してくれる。

チャングラ
「モモ」(Photo: Keisuke Tanigawa)

ディナーでももちろんダルバートが食べられるが、そのほかにも蒸し餃子のモモ(400円)やサーモンソテーのポレコマチャなどアラカルト、ネパール産のビールやラム酒なども堪能できる。 食べれば食べるほど好きになるネパール料理。ここチャングラでその魅力を奥深くまで探ってほしい。

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