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いまだに緑地が少ない街として世界的に知られているパリ。市政府はその状況を変えるべく、2030年までに街の半分を「緑地」するという大きな計画を推進している。例えば、2020年には世界最大の都市農場が営業開始し、四つの主要なランドマークのそばに森林を植えるというプロジェクトも進行中だ。
そうしたなか、パリで最も有名な通りであるシャンゼリゼ通りを「特別な庭園」 へ生まれ変わらせる巨大プロジェクトが実行されることになった。
シャンゼリゼ通りはニューヨークにおける5番街、ロンドンにおけるパークレーンのような、パリを代表する目抜き通り。2021年1月上旬、パリ市長であるアンヌ・イダルゴは、コンコルド広場から凱旋門まで1.9キロ続くこの大通りを大規模改修する計画にゴーサインを出した。予算は2億5,000万ユーロ(約315億1,800万円)。改修計画のデザインは、建築家フィリップ・シアンバレッタと彼の事務所であるPCA-Streamが担当している。
この野心的な計画で実施されるのは、4車線から2車線へ減らす車線数の変更、新たな歩行者と緑のためのエリアの追加、空気の質を向上させる「木のトンネル」の設置など。
シアンバレッタによると、パンデミックが起こる前の典型的な一日において、シャンゼリゼ通りを歩くのは10万人。そのうち72%が観光客で、22%が周辺で働く人だという(家賃が高く、通り周辺に住む人はほとんどいない)。
今回の大改修により、シャンゼリゼ通りがパリ市民にとっても気軽に足を運べる場所に戻ることが期待されるが、完成イメージを見る限りでは、観光客にとってさらに魅力的な観光地になりそうだ。新しいシャンゼリゼ通りは、残念ながら2024年夏季のパリ五輪開催には間に合わないが、2030年には見られる予定。
また、シャンゼリゼ通りの起点であり、パリ最大の広場、そしてマリー・アントワネットの処刑場としても知られているコンコルド広場も、新たに緑地として生まれ変わる。こちらは一足早く、パリ五輪の開催までに改修を終える予定だ。さらに、エッフェル塔周辺では、五輪開催に合わせて「特別な公園」を整備する計画も進んでいる。
近い将来、パリは十分に緑豊かな街だと思える時が来るのは間違いないようだ。
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