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京都の銀閣寺近くにあるローチョコレートの専門店、カカオマジックでは現在、2022年9月5日(月)までの期間限定でカフェをオープンしている。築90年の歴史を持つ建物、京都中央信用金庫 旧構成センターで6月3日に開幕したブライアン・イーノの大規模展覧会『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』とリンクしたアンビエントカフェだ。
通常は、生のカカオを用いて、全行程を48度以下で調理したローチョコレートを扱う同店だが、期間中、カフェスペースではスペシャルなロースイーツ(熱を加えないで調理したスイーツ)やドリンクを提供。まず紹介したいのが、イーノの作品『Light Boxes』からインスピレーションを得たという『Light Soda(光のソーダ)』(1,100円)だ。
下の赤色はハイビスカスの一種であるロゼラ、上の紫色はバタフライピーというハーブで色を付けた一杯で、オプションでラベンダーの香りがするCBDを追加することも可能。美しい色の重なりにうっとりするチルアウトドリンクである。
時間がたつにつれて2つの色が交わり合い、じわじわと色が変化していく様子はまさに『Light Boxes』のよう。期間中は、別のハーブやミントを使った新たなドリンクも提供予定とのことで、こちらも楽しみにしたい。
また、店主の松田すみれが「冷蔵庫にあったら思わず食べてしまうからめったに作らない」という冷たいチーズケーキも見逃せない一品だ。カシューナッツをベースに、アーモンドミルクや無農薬イチゴなどを用いて作った『ストロベリー・ローチーズケーキ』(1,200円)は、焼かずに作ったロービーガンスイーツ。無農薬レモンもたっぷりと使われており、イチゴとレモンの甘酸っぱさがやみつきになる。
さっぱりとした甘過ぎない味わいなので、甘いものが得意でない人にもおすすめ。じっくりと味わいたい気持ちも分かるが、ひんやりと冷たいうちに味わおう。
かつてDJとして活動していた松田は「当時は音を視覚化してDJをしていましたが、チョコレートやスイーツも同じような感覚で音をミックスするように作っているんです」と話す。
気持ちがいいところに音をはめたり、曲同士をつなげていくように、チョコレートやスイーツを作る際も、甘さや苦味、酸味、スパイシーさなどが心地よいバランスになるよう、ここだというところで素材同士を混ぜ合わせていくのだそうだ。
カフェで提供されるロースイーツも、今後新メニューが増えたり、現在提供しているものが終了したりと、期間中にどんどん変化を続けていくそう。松田ならではの感性で作られたスイーツを心ゆくまで楽しみたい。
筆者は『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』を訪れた際、その空間に「時間のない惑星だ」という感想を持ったが、カカオマジックにもそれに通ずる居心地の良さがある。アンビエントミュージックの流れるこのカフェではおしゃべりを控えて、ぜひ「自分のためだけの時間」を過ごしてみてほしい。
もちろん、店頭では、生のカカオだからこその栄養価や生命力が感じられるローチョコレートも販売しているので、帰りがけにはこちらをチェックするのも忘れずに。なお、定休日の火〜金曜に加えて、8月22日(月)、27日(土)、28日(日)は休みとなるので、訪れる際は注意しよう。
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