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世界の総人口の55%は都市に住んでいる。つまり、地球上の都市部をより環境に優しく、持続可能な場所にすることが、気候変動の悪影響を回避するために不可欠なことなのだ。
しかし、文字通り多くの人々が関わっている中、どのように排出量を削減すればよいのか。それには本当に大きなことを考えることが必要だろう。欧州連合(EU)では、まさにそれを実行に移しつつあるようだ。
2022年5月上旬、(EUの一部である)欧州委員会は、2030年までにヨーロッパの100都市のカーボンニュートラル化、つまり、排出する膨大な量の二酸化炭素を相殺する目標を発表した。
これは素晴らしい目標であると同時に、地球の気候における「終末」を回避するために必要な、まさに野心的な考え方といえる。
このプロジェクトへは、2022年初めにEUの377都市が参加を申請。最終的には、EU加盟27カ国全てまたがる100都市が選ばれた。プロジェクト参加都市には、助成金も提供されるという。
参加都市は小さな、あまり知られていない「村」ばかりではない。パリ、マドリード、ダブリン、アムステルダムなど12の首都を含む、ヨーロッパでも最大級の都市がリストアップされている。これは、かなり素晴らしいことではないだろうか。
こうした選ばれた都市は、市民のエコライフへの参加を目的とした取り組みから、エネルギー、交通、建設に関する持続可能な市民戦略の実施に至るまで、脱炭素化へのアプローチを多層的に行う予定。
このプロジェクトの目的は、都市を単にカーボンニュートラルにすることだけではない。同時に、参加都市を活気あるイノベーション拠点とすることも視野に入れている。その先に見据えているのは、ヨーロッパ全都市における2050年までのカーボンニュートラル化だ。それを達成できるよう模範となり、大陸全体をリードしていく存在になるのが、今回選ばれた100都市というわけだ。
欧州委員会の公式ウェブサイトでは、参加都市の全リストやプロジェクトの詳細を見ることができる。
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