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タコスの次はこれ?「ビリアラーメン」がロサンゼルスでブーム

濃厚スープとインスタントラーメンが融合

Lynn Q. Yu
テキスト:
Lynn Q. Yu
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
Birra ramen
Photograph: Courtesy Lynn Q. Yu
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ロサンゼルスの街角で、ビリア・デ・レス(煮込み料理の一種)を提供しているタケリア(タコスを売る店)に行くと、タコス、ケサディーヤ、ムリータス(タコスの一種、トルティーヤに肉やチーズを挟んでグリルで焼いたもの)として食べることができる。

しかし近年、ある人には斬新に、またある人には荒唐無稽に思えるような新しい食べ物「ビリアラーメン」がこの街を席巻している。そう、それはビリア・デ・レスのコンソメ(スープ)とインスタントラーメンを融合させたものだ。

The birria ramen set-up at Alameda Night Market’s Fiesta Birria.
Photograph: Courtesy Lynn Q. Yu

ビリアラーメンは2010年代後半、今は閉店してしまったメキシコシティのカジュアルレストランチェーン「Animo」で初めて誕生したといわれている。この料理はやがて北上し、2019年ごろにはロサンゼルスの街角に登場。主にフードトラックで、定番のタコスなどとともに提供されるようになった。今ではこの街のどのナイトマーケットでも見かけるようになり、巨大な「ビリア鍋」の横にタパティオ(メキシコで人気のホットソース)味のカップ入りインスタントラーメンが積まれている光景も珍しくない。

ビリア・デ・レスは、メキシコのハリスコ州でよく食べられるシチューのような料理「ビリア」の一種。マリネした牛肉を唐辛子とスパイスと一緒に、何時間も骨から落ちるほど柔らかくなるまで煮込んだものだ。

ビリアラーメンは、肉のうま味がしみ出たビリア・デ・レスのスープをインスタントラーメンに投入し、3分で出来上がり。客は好みでタマネギ、シラントロ(パクチーのこと)、ライムなどを入れて食べる。スープとインスタントラーメンのこの組み合わせは、シンプルで天才的といえる。スープは肉を感じて濃厚で、ベトナムのフォーよりも塩気が強く、トンコツラーメンのようなクリーミーさはない。

Birria ramen
Photograph: Courtesy Lynn Q. Yu

ロサンゼルスでは、ビリアラーメンが1杯12〜15ドル程度(約1,590〜1,990円)で売られている。高いと思うかもしれないが、スープは何時間も手間をかけて煮込まれてこそおいしくなるもの。一杯のビリアラーメンはシンプルに見えるかもしれないが、何口かで満たされるし、何人かでシェアすることもできる。

アラメダ、エルガト、アベニュー26ファミリーといった、ロサンゼルスのナイトマーケットを訪れれば「Fiesta Birria」や「Birria Red Tacos 2020」などの名前が付いたビリア・デ・レスを売りにした店を、少なくとも2、3軒見つけることができる。こうした店ではタコスが主役であることに変わりはないが、積み上げられているインスタントラーメンのカップやトッピングのセルフサービスステーションを目印にすれば、ビリアラーメンにはすぐにありつけるだろう。

ナイトマーケットで温かいスープと麺を食べるのが、冬のロサンゼルスにはぴったりだ。

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