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現在、ヒマラヤの小さな王国であるブータンを訪れることは難しいといえる。ブータンは現在でも、入国者に対して厳格な規制を設けているからだ。
同国では2022年9月23日(金・祝)に全ての観光客の受け入れが再開される予定だが、それでもまだ旅行しにくい場所になると思われる。それは、ブータンが観光客に対する観光税(SDF)を、なんと1人1日200ドル(約2万7,155円)に値上げするためだ。
ブータン政府は1991年に初めて、1日当たり観光税を導入。これまでは65ドル(約8,825円)にとどまっていた。約3倍の値上げとなる新観光税は、観光客分の二酸化炭素のオフセットやブータンの観光業従事者のスキルアップに使われるようだ。もちろん、観光客の総数を減らして、富裕層の来訪は受け入れていくための変更であることは言うまでもない。
200ドルという金額は高く聞こえるが、実はブータンは昔から旅行者にとっては、そう行きやすい場所ではなかった。パンデミック以前のブータンでは、「1日当たりの最低宿泊料金」というものが定められており、ほとんどの旅行者は1日当たり最低200ドルを使わなければならなかった。この制度は現在廃止されているが、新たに観光税が高く設定されたことで、ブータンを訪れるためにそれなりの出費がかかるという感覚はこれまでとそう変わらないかもしれない。
一方、ブータンが本格的に観光客を受け入れること自体は、喜ばしいことであるのは間違いない。近頃はブータンへ行く場合、旅行者は一部のツアーオペレーターを利用する必要があったが、9月からは旅行者が自分で旅程を計画する自由が与えられることになる。
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