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ダークファンタジー漫画の傑作「ベルセルク」の大規模展がスタート

三浦建太郎が描いた最後の原稿やゾッドの巨大像、コラボカフェなど

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Kagari Sakamoto
大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社Photo: Keisuke Tanigawa
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三浦建太郎によるダークファンタジー漫画「ベルセルク」。作者の偉大な業績をたたえた大規模展が、2022年9月21日に「松屋銀座」で開幕した。

大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社Photo: Keisuke Tanigawa

1989年に「月刊アニマルハウス」で連載をスタートした本作では、魔法や魔物などが登場する世界を舞台に、主人公・ガッツの過酷な戦いが繰り広げられていく。重厚な物語や緻密な作画などその圧倒的な創造性が支持を受け、日本だけでなく世界中にもファンが多い。漫画界におけるダークファンタジーの金字塔とも呼べる作品だ。

「大ベルセルク展」は、池袋を皮切りにおよそ1年をかけて全国を巡回してきた。今回で4カ所目となる銀座会場では、初登場の展示物やコラボレーションカフェといったこれまでとは異なる試みを行う。

大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社Photo: Keisuke Tanigawa
大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社Photo: Keisuke Tanigawa

まず驚くのは、壁中に飾られた膨大な原画や原稿の数々だ。時系列順に並ぶ展示品と一緒に、ガッツの長い旅路をたどることができる。仇敵のグリフィスとの出会いと決別、激しい戦闘など、濃厚な物語が凝縮されている。初期からの絵柄や筆致の変化を見つけるのも、展覧会ならではの楽しみ方だ。

大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社三浦建太郎が描いた最後の原稿(左側)、スタジオ我画が作画した原稿(右側)Photo: Keisuke Tanigawa

三浦は2021年5月に惜しまれつつもこの世を去ったが、現在では親友の森恒二がバトンを引き継ぐ形で連載を続けている。本展からは三浦が最後に描いた原稿に加え、作者亡き後にスタジオ我画が作画した原稿が公開される。両者をじっくりと眺めれば、制作者の熱い思いが感じられるだろう。

大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社Photo: Keisuke Tanigawa

「大ベルセルク展」の目玉といえば、ガッツの好敵手であるゾッドの巨大像だ。実物の大きさを誇り、会場でも抜きん出た迫力を放っている。立像の前に立って、自分がゾッドと戦うというイメージをふくらませてみよう。

大ベルセルク展
Photo: Keisuke Tanigawa「冬の旅路」Photo: Keisuke Tanigawa

場内の随所には、ガッツやグリフィスなど登場人物の精巧なフィギュアが出現する。リペイントされたガッツとキャスカの立像「冬の旅路」と、大阪会場で展示された「髑髏の騎士」の2つは必ず見ておきたい。

そのほかガッツが愛用する武器「ドラゴンころし」に触れられるフォトスポットや、作中屈指のホラーシーン「蝕」を体感できるコーナーも登場。作者の仕事場を再現したエリアをはじめ、ファンにはたまらない展示が並ぶ。

大ベルセルク展
© 三浦建太郎(スタジオ我画) /白泉社Photo: Keisuke Tanigawa

期間中は会場に隣接する「エムジー(MG)カフェ」で、特別なコラボレーションメニューが提供される。作中のキーアイテム「覇王の卵」を浮かべたコーラフロート(1,100円、以下全て税込み)、ガッツがプリントされた激辛のカレー(1,540円)、グリフィスをイメージしたパフェ(1,430円)など、個性豊かな品々を味わいたい。

最後は多彩なグッズもチェックしよう。最高峰の画力を堪能したいならば、最新の3D印刷技術を駆使した複製原画(抽選販売)や、武人画師のこうじょう雅之とタッグを組んだイラストの購入がおすすめだ。

この機会に、日本を代表する漫画家と作品の歴史を全身で感じてみては。

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