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パリの南西に位置する美しい町ランブイエでは、柔らかなターコイズブルーの光を放つ円柱形のチューブが道を照らしている。きれいで目を引くものではあるが、誰もこの光が街路照明の未来に向けた大胆な試みの一部であるとは思わないだろう。しかし実はこれは、電力ではなくバクテリアの力によって生まれている光なのだ。
自然界ではホタルや菌類、深海生物が、仲間を見つけたり、捕食者を混乱させるために光を利用するが、こうした生物が光を作って放出する現象を「生物発光」と呼ぶ。フランスの新興企業Glowee社が生物発光を応用して、街を照らす仕組みを開発。ランブイエのプロジェクトには、それが応用されているというわけだ。
光るチューブの中は海水で満たされ、アリイビブリオ・フィシェリというバクテリアが放たれている。この仕組みでは、基本的な栄養分と酸素を混ぜたものを時々バクテリアに与えるだけで、「充電」ができるという。
2014年にGloweeを設立したサンドラ・レイは、「単に街灯の電球を取り換えるだけではない、まったく新しいアプローチを生み出しました。そこから、今のソリューションを見つけたのです」と語っている。
LEDとは異なり、生物発光バクテリアは無限の寿命を持ち得るもので、完全に自然由来。都市をエネルギー効率高く、持続可能な方法で明るくする道を開く可能性を持っている。ランブイエは、このプロセスをテストする最初の都市であり、「本格的な生物発光実験室」になることを目指しているという。
近年、生物発光を利用することに成功しているのはGlowee社だけでない。2017年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者がホタルが使う発光物質を葉っぱに注入。また「Glowing Plant」というプロジェクトでは発光する植物をデザインしている。
街灯が光る木に置き換わる世界はまだSFの世界かもしれないが、Glowee社のターコイズ色のチューブは、より多くの通りや公園に登場する可能性がある。
同社は、2023年から2027年にかけて、この技術のテストに関心を持つフランス国内および海外の40都市(どの都市かは明らかにしない)と協力。レイは次のように期待を寄せている。「サステナビリティだけでなく、生活の質を高めながらいかに魅力的な都市にするかというアーバニズムに関する意識に、真の変化が起きています。この街路灯は非常に重要な役割を担っているのです」
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