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InstagramやFacebookは、ヌード画像に関して、異様過ぎると思う動きをすることがある。胸を出した男性はほとんど問題ないが、女性の乳首が少しでも見えている場合には、好ましくないと判断するのだ。
このざっくりとした検閲は、有名な芸術作品にも容赦ない。そこで厳しいルールにうんざりしたウィーン市観光局は、InstagramやFacebookで市が誇るアートコレクションを宣伝することを諦め、代わりにOnlyFansのアカウントを立ち上げた。
OnlyFansは、有料会員向けに「きわどい」コンテンツを配信できることで知られているSNS。ウィーン市観光局のアカウントでは、月3ドル(約340円)で、エゴン・シーレやアメデオ・モディリアーニのヌード作品が見られる。今観ると物足りないかもしれないが、これらは発表された当時は、かなり「成人向き」とみなされたという。
同アカウントに絵画作品を提供しているのはウィーンにある、アルベルティーナ美術館、レオポルド美術館、美術史博物館、ウィーン自然史博物館の4施設。つまり、観るべきものはたくさんあるといえる。
今回ウィーン市観光局が起こしたアクションは、2021年7月にアルベルティーナ美術館が日本の写真家、荒木経惟の写真作品を公開した際に、TikTokで「バン」されたことに端を発する。ただその前にも2018年に、自然史博物館が所蔵する2万5000年前の『ヴィレンドルフのヴィーナス』が、Facebookでポルノ過ぎると判断されこともある。
ウィーン市観光局は、より挑発的なヌードを含む作品についてTwitterアカウントでティーザーの公開を考えていたようだが、難しそうだ。Twitterでも状況は似ていて、ルーベンスの絵がかつて「アダルトエンターテインメント」とみなされ、シーレの絵は「過剰なヌード」として禁止されたことがあるからだ。
どうやら正面から「みだらで淫靡(いんび)な作品」を観るにはOnlyFansのページを観る、もしくは美術館へ直接行くのがベストなのかもしれない。
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