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すき焼きの老舗ちんやが、創業の地である浅草の旧店舗から少し離れた隅田川を望む江戸通り沿いで、再オープンを果たした。開店日の2022年3月18日(金)は、浅草寺ご本尊の観音が628年に「姿を現した(示現)」ことを祝い、毎年行われる法要『浅草寺本尊示現会』に当たる日だ。
ちんやの歴史は1880年にさかのぼる。浅草の地に料理屋として創業し、1903年にすき焼きの専門店としてオープン。その後は日本を代表するすき焼きの名店としてその名をはせていたが、店舗の老朽化、新型コロナウイルス感染症流行などの影響から、2021年8月に店を閉めた。
そのちんやののれんを引き継いだのが、グランド・セントラル・オイスター・バー&レストランや富錦樹台菜香檳(フージンツリー)、サラベスなど、国内外にレストランを展開するWDI GROUPだ。新店舗では旧店主である住吉史彦や旧店舗のスタッフとタッグを組み、ちんやのこだわりの味を発信していく。
玄関で靴を脱ぎ木製の下足札をもらい2階に上がると、畳の上にテーブル席を配した広々としたスペースが。個室は3室、明治の洋館をほうふつとさせる洋室2室と純和室1室を擁し、用途に合わせて選択できる。1階には牛肉をはじめ、土産などを扱う売店もオープン。浅草土産の選択肢がまた増えそうだ。
料理は、旧店舗同様「適サシ肉」を使った、すき焼きやしゃぶしゃぶの単品ほかコースを用意。「適サシ肉」とは、「適度な霜降肉」のことで、サシの入り方が過剰でないこと意味する。ちんやが作り出した商標登録(登録第5980224号)もされている造語だ。
身のうま味と脂の甘味のバランスを鑑み、また脂肪の融点やサシの入り方など、独自の基準で選び出した雌の黒毛和牛を一頭買いし、熟成させて提供。肉の香りが絶妙で胃もたれしづらく、「ずっと食べていられる!」という声も多いのもうなづける。うっとりするほど甘い『千住ねぎ』も後を引くおいしさだ。
浅草散策の前後に、新たに生まれ変わった老舗で、140年以上にわたって愛され続けているすき焼きを楽しんでみては。
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