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1935年以来、ニューヨークのメトロポリタン美術館(Met)では、隔年で職員の作品に特化した展覧会を開催していることを知っていただろうか。今年は、それが初めて一般公開されている。
古代ギリシャ彫刻館に隣接するスペースで開催されているその展覧会『Art Work: Artists Working at The Met』では、Metの約1700人の職員のうち450人以上が寄贈した作品を鑑賞することができる。参加している人たちの職種は図書館員、技術者、警備員、ボランティアなど多岐にわたる。
オンラインアートマガジンのHyperallergicによれば,提出された作品は全て展示されるのが通例。美術館の展示デザイナーマネージャーであるダニエル・カーショウなどの参加者は、「展覧会に間に合うように、労働時間外に作品制作に取り組んだ」という。
写真、絵画、彫刻など、応募された作品はジャンルやテーマもさまざま。興味深いのは、展示されている作品の多くが、生活費を稼ぐためにたまたま美術館で働くことになった「アートプロフェッショナル」たちが作ったものということだろう。
この非常にユニークな展示のためだけにMetに足を運ぶ価値があることは明らかだが、せっかく訪れるのであれば、ほかの展示も楽しもう。現在は『In America: An Anthology of Fashion』というThe Costume Instituteの展覧会が開催中だ。
これは、今年を代表するMetの展覧会シリーズである『In America』の第2部で、長年にわたってアメリカのファッションを特徴付けてきたドレスやファッションアイテムを幅広く紹介。アメリカ市民がデザインし、着用したものを通して語られる何百年もの歴史を視覚的に楽しむことができる機会といえる。見逃さないように。
『Art Work: Artists Working at The Met』は、2022年6月19日(日)までの開催。
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