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日本最大級のアート見本市「アートフェア東京」が2023年3月9日に開幕した。世界各国で「アートバーゼル」をはじめ、さまざまなアートフェアが開催されているが、同フェアはひと味違い、コンテンポラリーアートから工芸、古美術や骨董に至るまで、非常に幅広いジャンルの作品が一堂に会する。
会場の「東京国際フォーラム」は、コロナ禍を経て数年ぶりに来日したアーティストやギャラリストら、海外からの来場者が目立ち、再会を喜ぶ関係者やコレクターらの姿で、招待制の初日から昨年以上のにぎわいを見せていた。
今年の出展者数は144。うち海外からは、世界的に活躍する上海の「Pearl Lam Galleries」、テヘランをベースに活動する「SARAI Gallery (SARADIPOUR)」、ロンドンにある「Unit London」や、台湾の「YIRI ARTS」、香港やロサンゼルスを拠点とする「OVER THE INFLUENCE」など7ギャラリーが参加している。
国内ギャラリーでは、現代美術家の村上隆が率いる「カイカイキキギャラリー」が15年振りに出展。開催前から特に話題を集め、会場でも多くの来場者が訪れていた。
出展ギャラリーの選考委員会には、久保田真帆(マホ クボタ ギャラリー)と牧正大(マキギャラリー)が今回から新たに参加。コミッティメンバーの小山登美夫によると、アートのジャンルが増えてきた今、それらを審査していくため、新たなメンバーに加わってもらったという。開幕前の記者会見では「誰が来ても好きな美術が見つけられるフェアとなっている。ぜひ来場してほしい」と呼びかけた。
ホール入り口付近には、田島享央己ら日本人アーティストと、ドミンゴ・ザパタ、エレン・シェイドリン、M・ルガス・シラブスら3人の海外アーティストによるフィジカルアートとデジタルアートを一緒に紹介するブースも。「アートフェア東京」においても、デジタルアートへの関心と存在感が年々増していることを感じさせる。
また、アール・ブリュットの作家たちの作品を紹介し続けている、京都のコマーシャルギャラリー「ギャラリー インカーブ」が今年も登場。内野真行、林健太郎、河野彩音ら、初紹介の作家たちの作品を楽しむ来場者の姿も多く見られた。
2005年、83の出展者数からスタートした同フェア。内閣府や経済産業省、文化庁などの省庁、道府県、世界各国の大使館からの協力のもと、今や国内外のコアなアートファンやアートコレクターから、小さな子どもを連れて作品を楽しむファミリー層まで、幅広い来場者でにぎわう恒例のイベントへと成長している。
地下2階のホールEエリア「ギャラリーズ」(有料チケットが必要)だけでなく、地下1階のロビーギャラリーで展開される「クロッシング」「プロジェクト」エリアは無料で楽しめる。
熱気あふれ、自由で多様なアート作品とアーティストたちに会いに、ぜひ立ち寄ってみてほしい。
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