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あっという間に7月も終わり、盆休みが始まる。8月も注目のアート展が目白押しだ。ここでは、今週末に開幕する注目の展覧会を4つピックアップして紹介する。
モダニズムと日本の美の共通項を見いだした茶室研究の第一人者である建築家・堀口捨己の生涯にわたる活動を紹介する初めての回顧展や、シティポップをカルチャーへと昇華させたイラストレーター・永井博に焦点を当てた展示、杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニットmagmaによる7年ぶりの大規模個展など、見逃せない展示ばかり。今年の盆休みは、始まったばかりの美術展で刺激を受けてみては。
建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌
建築家の堀口捨己(ほりぐち・すてみ、1895〜1984年)没後40年に当たる今年、「国立近現代建築資料館」で初の本格的な回顧展「建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌」が開催。日本初の本格的な近代建築運動である「分離派建築会」を始めた堀口の、生涯にわたる活動を包括的に紹介する。
会場では、代表建築作品の原図を含む約200点の展示資料をはじめ、1920年代に欧州視察した際の写真、分離派建築会展資料、茶室・庭園の実測研究資料、和歌、手紙などを展示。さらに、茶の湯にも通じた堀口の「後藤勘兵衛茶室 (現・太閤山荘擁翠亭)」を原寸に拡大した模型の内部に入ることができる。
100年前にまでさかのぼる資料を通して、建築の進む道を示した堀口の世界を体感してほしい。なお、土・日曜日・祝日は「旧岩崎邸庭園」からのみ入場でき、庭園の入園料400円(税込み)が必要となる。
※10時〜16時30分(入館は16時15分まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は平日無料、土・日曜・祝日は400円(旧岩崎邸庭園入園料)
永井博 展 SUMMER BREEZE
「Bunkamura ギャラリー」で、シティポップをカルチャーへと昇華させたイラストレーター、永井博に焦点を当てた展示が開催。旧作から新作まで、原画を中心に展示・販売する。
日本のニューミュージックのシティポップは、ファッションやアートにも影響を与え、今や世界中で注目を集める音楽だ。1981年発売の大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』でアートワークを手がけた永井は、心地よいリズムと都会的かつトロピカルな音楽を見事に視覚化した。その後、40年以上にわたる一貫した作風でシティポップムーブメントの象徴とされている。
世代を超えて愛されている永井の世界を堪能してほしい。
※11〜20時/入場は無料
magma exhibition ″TRICK HEARTS″
「パルコミュージアムトーキョー」で、杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニットmagmaによる展覧会「magma exhibition ″TRICK HEARTS″」が開催。およそ7年ぶりの大規模個展となり、新作群に加え、本展に合わせた国内外9組の作家やブランドとのコラボレーション作品を発表する。
magmaは、廃材や樹脂、電動器具などを組み合わせた独自の世界観で、アート作品から家具やプロダクト、空間演出ディレクション・制作までを幅広く手がける。また、NIKE、ユニクロ、ゆず、サカナクションなどとのクライアントワークでも独自のスタイルを発揮してきた。
さまざまなマテリアルが行き交い、アナログ感とクレイジーな色彩が融合したmagmaの作品群。彼らの現代的な「いたずらなしかけ」が広がる空間に足を運んでみては。
※11〜21時(9月2日は18時まで)/入場は閉館の30分前まで/入場は無料
SIDE CORE 展 コンクリート・プラネット
公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトで近年注目を集めるアートコレクティブ「SIDE CORE」の展覧会が、外苑前の「ワタリウム美術館」で開催する。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志で、映像ディレクターとして播本和宜が参加する。
「都市空間における表現の拡張」をテーマに活動しているSIDE COREは、これまでにも東京の地下空間をスケートボードで疾走する作品などを展開してきた。公共空間のルールをひもとき、思考の転換、隙間への介入、表現やアクションの拡張を目的に、ストリートカルチャーを切り口とした作品に定評がある。今回の大規模個展でも、彼らが軽やかに都市の暗部を開拓していく作品群に期待が高まる。
なお、本展は美術館内部だけではなく、周辺環境への展開が予定されている。アートを通じて都市への想像力を広げる体験をしてみては。
※11〜19時/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は1,500円(ペア2,600円)、25歳以下の学生・70歳以上1,300円、小・中学生500円
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