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2024年11月20日、文京区本郷3丁目にハンバーガー店「アップルバーガー(Apple Burger)」がオープンした。本郷3丁目といえば、国内のグルメバーガーの元祖とも呼ばれる老舗ハンバーガー店「ファイヤーハウス(Fire House)」が有名だが、ここ「アップルバーガー」の店主である遠藤寛道は、同店で長年店長を務めた人物だ。
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店舗は「ファイヤーハウス」のテイクアウト・デリバリー専門店の2階に位置する。かねてから独立し、自身のハンバーガー店をもつ夢を持っていたという店主は、今回「ファイヤーハウス」からのれん分けを受ける形で「アップルバーガー」をオープンさせた。
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扉を開けてすぐの階段を上がると、コの字型のカウンターに囲われたオープンキッチンが目に入る。ところどころに流木や薪(まき)をあしらった内装は、店主の薪焼きハンバーガーへの憧れが反映されたものだ。なお、客席はカウンター席が8つ、4人がけのボックス席が2つ用意されている。
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看板メニューは、店名にもなっている「アップルバーガー」(2,002円、以下全て税込み)。パティの上にリンゴのコンポートを大胆に乗せたアップルバーガーは「ファイヤーハウス」でも人気のメニューだが、この店独自のアレンジが施されている。
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赤身を多く使い、なるべく脂質を抑えてつくるパティは、しつこさがなくさっぱりと食べやすい味。一時は「ファイヤーハウス」を離れ、ニューヨーク発祥のステーキハウス「ウルフギャングステーキハウス」でも剣山を積んだという店主は、パティの焼き加減にも並々ならぬこだわりを持つ。パティとバンズは注文を受けてからそれぞれの適温に熱せられた鉄板で焼き上げられ、ベストな状態で提供される。
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古巣のアップルバーガーとの違いとして、遠藤は「リンゴの味わい」の差を挙げる。「ファイヤーハウス」のアップルバーガーでは、リンゴをスイーツのように甘く煮詰められているのに対し、同店では、甘さは控えめにし爽やかな酸味が感じられるよう仕上げたリンゴを採用していることが特徴だ。ほのかに甘酸っぱい風味とシャキシャキとした食感が、肉の旨みをギュッととじこめたジューシーなパティを引き立てている。
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器に盛られたロメインレタスやトマト、オニオンは、バーガーに挟んでも、そのまま付け合わせのサラダとして食べてもOKだ。まずはリンゴとパティのみのシンプルな状態で楽しんでから「味変」として野菜を挟んでみるのもいいだろう。なお、サラダとして楽しむ場合には、テーブルに常備されているガーリックと鷹の爪入りの酢をかけるのがおすすめだ。
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付け合わせのポテトも主役級のおいしさ。なんせこの店では、冷凍のポテトは使われていない。国産のジャガイモを生の状態で細切りにし、注文を受けてからフライにするという、グルメバーガー店でもなかなか見られないこだわりようなのだ。
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フライドポテト専用のカッターは、本場アメリカから輸入したもの。冷凍のフライドポテトよりもロスを生みやすいというリスクは承知の上で、「この店のポテトは本当においしいものにしたい」という思いを叶えたそうだ。たしかに、みっちりとした食感とじゃがいも本来のほの甘さまで感じられるフライドポテトには、ほかでは出合えない。
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アップルバーガー以外の人気メニューを尋ねると、店主は「ベーコンチーズバーガー」や「ダブルチーズバーガー」を挙げたが、「ホットドッグ」(1,342円)も人気が高いという。専門店から特注した巨大なソーセージを、カラメルを練り込んだバンズで挟んだホットドッグは、シンプルながら満足感抜群だ。カラメルバンズのほのかな甘みとほろ苦さが肉の旨みを引き立てており、最後までジューシーな味わいが楽しめる。
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ドリンクメニューには、コーラやジンジャーエール、オレンジジュースといった、ハンバーガーと相性のいい飲み物は一通りラインナップしている。全てのドリンクにプラス330円でバニラのジェラートをトッピングできるのもうれしい。ハンバーガーやホットドッグとともにこっくりと甘いフロートを楽しめば、なんとも罪深い快感が得られるだろう。グルメバーガー店の真骨頂である「ギルティ」なおいしさを、ぜひ体感してみてほしい。
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