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駅のホームに日本初のクリニック、JR西国分寺駅にオープン

対面とオンラインのハイブリッド診療、4月にサービス開始

編集:
Genya Aoki
寄稿::
Mariko Dedap
Aoi Clinic - Station Home Nishi Kokubunji
外観イメージ
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JR東日本は2022年4月、JR西国分寺駅の中央線上りホーム上に対面およびオンライン診療を行うハイブリッドクリニック、あおいクリニック-駅ホーム西国分寺-を開業することを発表した。駅のホーム上にクリニックが開設されるのは日本初の試みだ。

これは「駅を暮らしのプラットフォーム化」することを目指す、JR東日本の『ビヨンドステーションズ(Beyond Stations)構想』の一環で、『スマート健康ステーション』という取り組みの一つ。同社は、新たな医療の在り方として、実際に医師が患者を目の前に行う対面診療と、オンラインブースで画面を通して行う診療を組み合わせたハイブリッドクリニックを提案する。

あおいクリニック
「スマート健康ステーション」

開設科は、対面の内科、オンラインの皮膚科、耳鼻科、婦人科などが検討されている。オンラインクリニックを開設することで複数科を設置できるため、総合的な診療が期待できる。皮膚科のオンライン診療においては、デジタル観察ツールを導入し、カメラを通じて患者の皮膚状態を把握していく。オンライン受診後、必要に応じて併設の対面診療へ移ることも可能だ。

オンライン診療には、西国分寺駅周辺のクリニックの医師や、育児などで働く時間が限られた医師などが参加する予定。駅周辺の地域医療機関だけでなく、患者の症状によってより高度な医療を受診できるよう、他医療機関やJR東京総合病院といった基幹病院とも連携を図っていく。

あおいクリニック
『スマート健康ステーション』イメージ

駅ホーム上のクリニック設置に至った背景には、コロナ禍による人々の生活スタイルや働き方の変化があるという。医療受診の需要が増える一方で、生活時間帯と医療サービスの時間のずれや、待ち時間の懸念などから受診を諦める人が増えた。「コロナウイルス感染を避けたい」と対面受診に不安を感じながらも、オンライン診療に不信感を持つ人もいる。駅ホームのハイブリッドクリニックが、こうしたさまざまなニーズに応えていくことを期待したい。

セルフケア薬局
セルフケア薬局

JR東日本はこのほか、医師による処方箋がなくても病院の薬が買えるセルフケア薬局を西国分寺駅中央線下りホーム上に展開している。今後は、待ち時間のない診療や処方箋の発行、調剤、指定の薬局やロッカーでの薬の受け取りなどといったサービスの拡充を図り、患者も医師も「どこにいても医療を受けられる、提供できる」暮らしの実現を目指す。

さらに、都心以外の地域へ同サービスを拡大することにより、治療の選択肢が少ない地方と都心の医療格差の課題にも取り組んでいく。地方にいながら、駅で都心の医療を受診できる。そんなサービスが実現する日が待ち遠しい。

あおいクリニック-駅ホーム西国分寺-の詳細情報はこちら

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