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運河や自転車、「ハイネケン」で有名なアムステルダム。そればかりでなく、個性的な建築や、素晴らしいアートコレクションも擁する魅力にあふれる街である。だがそうした特色も、「夜遊びの街」のイメージに隠されてしまいがちだ。
アムステルダムは、2023年の春に「Stay Away(来ないで)」キャンペーンを実施し、歴史ある街を台無しにするような騒々しい旅行者を遠ざけることを試みた。だが、なかなか一筋縄ではいかないようだ。
そうした状況を受けてアムステルダムは、地元住民の視点を重視する方向へとかじを切ることを決めた。
地元当局の広報によると、新たな観光戦略は「Renew Your View(新たな視野で)」と名づけられたもので、2025年末まで実施される予定だ。目的は、訪れる人が地元密着の視点から街を発見することを奨励するとともに、「センセーションと低俗なエンターテインメント」を求める人々の数を減らすことにあると、ユーロニュースは伝えている。
また、2024年には住居に関しても新たなルールが施行される。主な目的は学生や、人材が不足している教師、警察官などに対して供給できる住宅を増やすことだ。
アムステルダムには、過去10年間のうち連続する6年間、同市に居住している若者が優先的に入居できるという規則がすでに存在する。だがこれは、就学などによって一時的に別の場所に住んでいた人を排除する結果となっていた。そのため2024年からは、若者向けの全住宅のうち50%は、この条件に当てはまらない若者も入居の対象とすることとなった。
住宅を確保する手段として、同市はゲストハウスの数の制限を強化し、地区ごとの上限数を30%削減する。したがって、すでにこの上限をオーバーしている市中心部には当面の間、新たなゲストハウスをオープンすることはできなくなる。
観光客向けビジネスの新たな展開も制限される。オランダ枢密院は、アムステルダム市街地での新たな土産物屋の開店を許可しないゾーニングプランを可決した。書店や美容室、ジムといった施設のためにスペースを確保することが目指される。
パーティーは楽しいかもしれないが、街の本当の姿を知る一番の方法は、地元の人の目を通して見ることだ。アムステルダムが、新しいキャンペーンを通じて魅力的な街を守れるよう願っている。
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『Amsterdam has unveiled new rules to tackle overtourism in 2024(原文)』
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