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ロンドンのホルボーンを通る、サウサンプトン・ロウ通りの真ん中に、地下に向かって延びている傾斜路がある。実はその先は、1906年から1952年まで運行されていたキングスウェイ・トラム・サブウェイのトンネルと立体交差へとつながっているのだ。
長い間ほとんど使われてこなかったこのトラムの地下施設が、2021年夏、ロンドン交通博物館が実施する『Hidden London Tours』で一般公開されることになった。
キングスウェイ・トラム・サブウェイは前世紀初頭、当時再開発されたばかりのエリアに「立派な」通勤者を呼び込むべく、街の南北のトラム網をつなぐために誕生したトラム路線。1930年代になると、トラムは新たに導入された地下鉄車両と比べると不格好かつ不快で遅いという評判を得て、段階的に廃止されていく。
その後この施設は、映画などの撮影で使われる程度の存在となる。1998年に公開された『アベンジャーズ』にも登場するのもこの場所だ。
石畳が敷き詰められたトンネルにはイギリス指定建造物2級。トラムのレールや電気配線などが当時のまま残る。今回の一般公開は、レトロなロンドンへタイムスリップできる貴重な機会となりそうだ。
『Hidden London Tours』の開催は、2021年8月12日(木)〜9月26日(日)までの木曜と日曜。詳細はロンドン交通博物館の公式ウェブサイトで確認できる。
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