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もしあなたの目の前に、不気味で間違いなく幽霊が出そうな石棺が現れたら、それを開けたいと思うだろうか。邪悪な悪魔を目覚めさせないためにも、答えはきっと「ノー」だろう。しかし、パリの研究者たちによる選択は違う。ノートルダム大聖堂の地下に封印された墓を発見した彼らは、今それを開けようと計画している。
2019年4月に大聖堂を襲った壊滅的な火災の後、ノートルダム寺院では現在、大規模な改修工事が行われている。その中で、石造りの床の下に、彫像や彫刻から陶器の家具まで、たくさんのものが隠されているのが発見された。
そのうちの一つが、教会の床下20メートルから見つかった石棺だ。フランスの文化大臣であるロゼリーヌ・バシュロによると、このひつぎの状態は非常に良く、小さなひび割れが数カ所あるだけで、大きな構造的なダメージは受けていないという。
気になる中身については、研究者たちもまだはっきりとは分かっていない。しかし、内視鏡カメラを使って中をのぞいてみたところ、髪の毛や衣服の断片を確認。おそらく14世紀の高い位にある聖職者の遺骨が入っていると思われるとのことだ。
次のステップは、トゥールーズにある法医学研究所の研究者が石棺を開けること。炭素年代測定法を用いて、中に入っている遺骨や物について、誰のものなのかなど、さらに詳しく調べることになる。
調査後、石棺がどうなるかは今のところ不明。ノートルダム寺院に戻され、再び埋葬される可能性もある。大聖堂の改修は、パリオリンピックに間に合うよう、2024年春に完成する予定だ。
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