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ポルトガルのリスボンにある現代アートの美術館「Centro de Arte Moderna Gulbenkian」(以下、CAM)が、4年間にわたる大規模な改修工事を経て、この秋ついに営業を再開する。2024年2月22日に発表された情報によると、リニューアルオープンは2024年9月20日(金)の予定だ。
CAMは、カルースト・グルベンキアン財団が持つポルトガルの近現代美術の素晴らしいコレクションと国際的なアーティストの作品など、約1万2000点を収蔵する。
同館を生まれ変わらせるためのデザインを担当したのは、自然素材の活用で知られる日本の建築家である隈研吾。白いセラミックタイルの張り出し屋根を持つ新しい建物の着想は、「内と外の相互作用する空間」である「エンガワ」の考え方から得たという。
その白い屋根と溶け込むパブリックガーデンは、カナダのトロントにあるアガ・カーン公園を手がけたことで知られるランドスケープアーキテクトのウラジミール・ジュロヴィッチが再設計したものだ。
隈は声明で「私たちは、建築と庭が調和する、完璧な融合を実現しました。エンガワのエッセンスにインスパイアされて生まれたのは、外側との新しい関係です。訪れる人にゆっくりとくつろぎ、この場所をそれぞれに楽しんでもらいたいと考えています。柔らかさと移り変わりのアイデアは、CAMのインテリアにも生かされました。我々がデザインした新しい空間では、庭や外光とのつながりを再現しています」
記念すべきリニューアルオープンに合わせ、メインギャラリーでは彫刻的なインスタレーションを制作するポルトガルのアーティスト、レオノール・アントゥネスによる没入型展覧会が開催される。
また、「Tide Line」と題したコレクション展では、90を超えるさまざまな媒体の作品を紹介。日本の書道と写真を学んだポルトガル系ブラジル人アーティスト、フェルナンド・レモスにフォーカスを当てた展示もある。さらに、森永泰弘や渡辺豪など、複数の日本人アーティストの作品を通して、新しい建物のデザインの背景にある「日本」をより深く知る機会も設けられる。
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