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ハリケーン、ノーイースター(温帯低気圧による嵐の一種)、地下鉄の運休など、ニューヨーカーは災害を心配することが多い。しかし、地震については、忘れてしまうほどの不安はなかった。
しかし2024年4月5日、マグニチュード4.8の地震がニューヨークを「震撼(しんかん)」させた。アメリカ地質調査所(USGS)によれば、発生は10時20分ごろ。ニューヨークの西約65キロメートルに位置するニュージャージー州ホワイトハウス・ステーション付近が震源だった。
あの地鳴りはニューヨーカーにとって珍しい体験だったが、実は、地震はこの街で想像以上に頻繁に起こっている。ただそれらは、通常は非常に小さいのだ。
「アメリカ自然史博物館」の地球惑星科学部専門家であるケイジ・ハモンドは、次のように言っている。
「今日の地震は多くの人にとって驚きでしたが、ニューヨーク都市圏では小規模な地震活動が頻繁に起きています。私たちが住む地域は比較的穏やかですが、地球は非常にゆっくりとした単位で移動し続けており、時折感じるずれを引き起こしているのです」
「とはいえ、今回の地震は、私たちが最近経験した地震の中でも強く、100年に数回起こるようなものでした。このような地震は、今後も私たちが生きている間、そしてそれ以降も定期的に発生すると予想されます」
では、これまでニューヨークではどんな地震が起きていたのか? その歴史を振り返ってみよう。
1. マグニチュード2.4以上の地震が少なくとも19回発生
コロンビア大学のラモント・ドハティ地球観測所によると、1737年以来、ニューヨークでは18回の「大地震」が起きている。そして今回の地震が19回目である。
2. 市内を震源とする最大の地震はマグニチュード5.2(2回発生)
コロンビア大学によれば、1737年12月19日と1884年8月10日、ニューヨーク市では煙突を倒すマグニチュード5.2の地震を経験した。1884年のものは、バージニア州からメイン州まで感じられたという。その日起こったことやニューヨーカーの反応については、国立アメリカ歴史博物館のウェブサイトで読むことができる。
それによると、郵便局とエクイタブル生命保険ビルが前後に揺れているように見え
3. 今回と最も似ているのは1783年の地震
マグニチュード4.9の地震がニュージャージー州ノースセントラルで発生。この時は煙突も倒れたようだ。幸いなことに今回の地震は、広範囲に被害を及ぼすことはなかった。
4. 前回の地震はクイーンズのアストリアで発生
2024年1月初めに、ニューヨークのクイーンズ区アストリア付近でマグニチュード1.7の地震が発生している(これは、感じなくても許されるほどの規模)。
その一つ前の地震は、2023年5月19日に起きた。夜中の2時にマグニチュード2.2の地震がニューヨーク大都市圏で発生。USGSによると、ウェストチェスター郡ヘイスティングス・オン・ハドソンの南約1.6キロメートルが震源だった。
ニューヨークエリアで最後に大きな揺れが感じられたのは、2011年。バージニア州付近を震源とするマグニチュード5.8の地震で、ジョージア州からカナダにかけて起こった。
5. 今回の地震は1884年以降で最大
「2」で言及した1884年の地震はブルックリンで発生し、マグニチュード5.2を記録したといわれている。ニューヨークはこれまでにも何度か地震を経験しているが、そのほとんどの震源は市内ではなかった。
ニューヨークタイムズ紙によれば、今回の地震は1950年以降でニューヨークから約400キロメートル以内で起きた中で3番目に強いものだった。ちなみに、1944年に北部のコーンウォールマセナ地区で発生した地震(マグニチュード5.8)が、ニューヨーク州では最大だ。
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