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東京のアンダーグラウンドシーンをリードする街の一つともいえる三軒茶屋。深夜までにぎわう飲食店や音楽に身を委ねられるバーが立ち並び、一軒で満足するのが惜しくなる。気の向くままにハシゴを重ね、心地よい音と夜の空気に酔いしれるには絶好の街だ。

2025年3月19日(水)に開催される「姫GOTO」は、女性DJやアーティストが主役となる回遊型パーティー。3回目となる今回は三軒茶屋の9つのヴェニューが手を組み、「三茶の夜のひな祭り」として、春の訪れを祝う妖艶な夜を演出する。
ラインアップしているアーティストも、DJだけでなくシンガーやラッパーなど幅広い。チケットを購入することで「DJ BAR天狗食堂」(以下、天狗食堂)をはじめ、「梅ちゃんバー」の愛称で知られる「32016」や「ハナレ(HANARE)」「セントパックスカフェ」「パトロール(PATROL)」などの小箱やミュージックバーを、自由に回遊できる。

姫GOTOの原型となるのは、DJ SEKI HIDEKIYOが天狗食堂で開催していた、女性DJを集めた「大奥」というイベント。その後、2020年に「姫GOTO」として、第1回目のパーティーが開催された。
主催を担うのは、三軒茶屋のミュージックヴェニューを中心にバーテンダーをしながら、フードのケータリングやイベントのオーガナイズを行う、胡麻純。ディープな街の代名詞でもある夜の三軒茶屋に「最近は若い女性客が増えています」と話す。そんな彼女に、開催に向けた意気込みを聞いた。

ー「姫GOTO」は今回で3回目の開催ということですが、これまで開催してきて反響はどうでしょう?
1回目は4店舗での合同企画でした。2回目からはオーガナイズには女性が必要だということで、私が表に立つことになり、3回目も私が企画しました。去年は4年ぶりの開催で参加店舗数も増え、より多くのお客さんに楽しんでもらえたと感じています。
移動中にお客さま同士が交流したり、お祭りのような開放感もあったり、お店の間を移動すること自体も楽しんでもらえるのは、回遊パーティーとしてはうれしいことです。それと同時に、お客さんだけでなく、参加アーティストさんにもイベントを楽しんでもらいたいと思っています。実際どうだったのか、当日はみんなとコミュニケーションを取ることが時間的に難しいのですが、今年参加が決定しているアーティストの8割が去年も参加してくれた方々なので、それについては心強いのと感謝の気持ちが大きいです。
ー三軒茶屋という街は、ヴェニュー同士の一体感が強いですよね。現在の三茶のコミュニティについてどう思いますか?
各店の人たちが勤務の前後にほかの店へ飲みに行ったり、他店にDJで呼ばれたりと、もともと横のつながりはありました。三茶はハシゴ文化があるので、回遊パーティー自体は割とすんなり受け入れてもらえたイメージがあります。
また、コロナ禍は飲食店にとって本当に不安で、手探りでやるしかなかった時期でした。それぞれ店のスタンスは違ったとしても、みんなで耐えて乗り越えようという空気感がありましたね。
そういう意味では、気持ちの面で三茶というエリアに支えられた部分は大きいと思っていますし、それが回遊パーティーをやるモチベーションの一つにはなっていると思います。

ー普段バーテンダーなどをされていて、女性のお客さんが増えていると思いますか?また、東京の今のクラブシーンは女性の視点から見てどうでしょうか?
若い女性のお客さんがかなり増えています。女性DJが出演するパーティーは、女性のお客さんも多いですね。三茶のDJバーなどはアンダーグラウンドな印象を持たれている人も多いと思うので、「女性DJが出ている」というだけでハードルが下がるのかもしれません。
来てくれたお客さんが同世代の女性アーティストに影響を受け、自分もやってみたいと思い、アーティスト側になっていくことも少なくありません。5年前の時点では、ここまで女性アーティストは集められなかったと思います。
ー今回出演されるアーティストの中で、特に注目する人は誰でしょうか?
これは本当に答えが難しいです。皆さんいいので(笑)。ですが、いろんな方にもっと知ってほしいという意味では、シンガーソングライターのYuima Enyaと、ラッパーのYUKKO!の2人でしょうか。

三軒茶屋がホームのこの2人は近年それぞれの活動も注目されていますが、去年から2人で一緒に制作もしているんです。今年は2人でステージに立つことも増えると思うので、機会があればせひチェックしてみてください。姫GOTOで、Yuimaは「DF7B」というクンビアバンド、YUKKO!は「母親文化村」という男女ヒップホップユニットで参加してくれる予定です。
女性アーティストを中心としたパーティーですが、世代や性別、ジャンルにかかわらず楽しめる充実した内容になっています。三茶のハシゴ文化を体験できる絶好の機会でもあると思うので、気軽に遊びにいらしてください。

チケットは前売りが2,000円、当日券が2,500円で、「天狗食堂」「32016」「パトロール」「ハナレ」「セントパックスカフェ」「バージャッキー(BAR Jackie)」の6店舗で購入できる。タイムテーブルや出演者のラインアップについては、公式Instagramから確認してみてほしい。
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