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東京オリンピックが開幕し、選手たちの熱い戦いが続いている。コロナ禍の開催となったオリンピックは長い歴史の中で異例のことではあるが、1年延期と空っぽのスタジアムを除けば、東京オリンピックはもっと陽気な理由で話題になるだろう。
ここでは、『東京オリンピック・パラリンピック』を先進的でサステナブルなイベントにするために開発された技術や工夫を紹介しよう。
選手村の自律走行型電気自動車
現在、選手村には1万1000人以上のアスリートが集結している。しかし、約44ヘクタールもの広大な施設を移動するのは大変なことだ。そのため、大会のワールドワイドパートナーであるトヨタ自動車の無人運転の電気自動車(EV)を採用した。
『e-Palette』と呼ばれるこの電気自動車は、選手村のニーズに合わせて若干改良。また、パラリンピック選手も簡単に利用できるように、大きなドアと電動スロープを備える。1台のEVには20人まで乗れ、自律走行だがスムーズな運行のためにオペレーターが同乗する。
世界初? ロボットバスケ選手
2021年7月25日に行われたバスケットボールのアメリカ対フランス戦では、ハーフタイムに95番のジャージを着た身長2.5メートルのロボットが登場。ハーフコートから完璧な3ポイントシュートを決めた。プロバスケットボールチーム アルバルク東京に所属する「Cue2(キュー)」と呼ばれるこのロボットも、トヨタの発明品だ。
等身大のAIロボットにはセンサーが搭載されており、周囲の環境を分析(つまり距離を測定)した後、アームを調整。完璧なシュートを打つために必要な力と角度を判定する。Cue2はその夜、3本のシュートを行い、いずれも100%の精度だった。
何が言いたいのかって? それは、AIとロボット工学における国の最新の発展を示す、目を引く方法だからだ。
選手村の段ボール製ベッド
選手たちが選手村に到着すると、段ボール製のベッドに戸惑う人たちが現われた。インターネット上では、ベッドが簡素なのは「アンチセックス」だから、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する大会組織委員会によって、この風変わりなベッドには何か隠された狙いがあるのではないかなどと憶測された。
しかし、これは「フェイクニュース」だ。ほとんどのベッドは見た目よりも頑丈であることを、
実際、このベッドは200キロまで耐えられる。段ボールを使用したのは、大会終了後に簡単にリサイクルでき、ゴミとして廃棄されないことからである。
オリンピックのメダルはリサイクル?
東京オリンピックの主催者はこの大会をサステナブルなものにしたいと考えており、メダルはその目標を達成するための一つだった。しかし、安心してほしい。古いメダルを再利用しているわけではない。
2017年4月から2年間、日本で使われなくなった電子機器を回収する寄付活動が行われた。7万8985トンの家電製品と621万台の携帯電話から貴金属が抽出され、5000個のオリンピック金メダル、銀メダル、銅メダルに生まれ変わったのだ。
オリンピックの聖火には史上初の水素ガスを使用
開会式でテニス界のスーパースター、大坂なおみが点火した、花のように華やかな聖火台は、重要な理由でオリンピックの歴史に名を残した。この火はオリンピックで初めて、無色で二酸化炭素を排出しない水素を使用。聖火はこれまでプロパンが主流で、マグネシウムや樹脂、オリーブオイルが使われたこともあった。
『東京オリンピック・パラリンピック』大会で使用される環境に優しい水素は、再生可能エネルギーで運営されている福島の工場から供給され、2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を受けた福島の復興を支援することにもつながる。
現在、有明の夢の大橋で実際にオリンピックの聖火台と燃える炎が展示されている、気になった人は訪れてみては。
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