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東京オリンピックに続き、2021年8月24日に開幕したパラリンピックでは、13日間で22競技539種目が行われる。新型コロナウイルスの流行により1年の延期を余儀なくされ、
しかし、東京2020パラリンピック競技大会はついに動き出した。天皇陛下の成仁が名誉ゲストとして出席し、大会を正式に開会。その後、考え抜かれたパフォーマンスが次々と披露され、パラリンピックの重要性とその背景にある意味を再認識させられた。ここでは、心に響いたポイントを紹介する。
選手団の入場で新しい国との連帯感が生まれた
オリンピックとパラリンピックの開会式では、各国の代表選手が入場行進が行われる。今回のパラリンピックでは、ブータンとグレナダ、モルディブ、パラグアイ、セントビンセント・グレナディーンの5カ国が初参加した。
アフガニスタンの政治情勢の影響で、同国の出場選手は東京に来ることができなかったが、パレードにはアフガニスタンの国旗が掲げられ、パラリンピックボランティアが選手と国に敬意を表した。一方、2016年からアメリカに住んでいるアフガニスタン出身の水泳選手、アッバス・カリミ(Abbas Karimi)は、旗手として難民パラリンピックチームを率いた。彼は、今大会に出場する唯一のアフガニスタン人選手でもある。
逆境を乗り越えて羽ばたくことを応援
今年のパラリンピックの開会式のコンセプトは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」。翼を手に入れることを意味するこの言葉には、逆風も人生の力に変えていくというメッセージなどが込められている。
このコンセプトに合わせた空港や飛行機のパフォーマンスで、主役を務めたのは13歳の和合由衣(わごう・ゆい)。和合は車いすに乗ったまま、片翼の小さな飛行機の役を演じた。彼女を中心にさまざまな障がいのあるパフォーミングアーティストが出演し、違いの中にある美しさを表現した。
#WeThe15の世界デビュー
「#WeThe15」とは一体なんだろう? と思う人もいるかもしれない。これは、8月19日に立ち上げられたばかりのキャンペーンで、世界に12億人いるといわれる障がい者への差別をなくすことを目的としている。国際パラリンピック委員会(IPC)、ユネスコ、インビクタス・ゲームズなど複数の組織が協力した、差別をなくすためのスポーツ界最大の人権運動と言えるだろう。
世界には12億人の障害者がおり、これは世界人口の15%に相当する。この世界的な運動は、より平等な社会を作ることで、彼らの生活を変えることが目的だ。開会式では、公式ハッシュタグである「#WeThe15」がスタジアムの敷地内に映し出され、公式カラーである「紫色」のボランティアコスチュームにもハッシュタグが付けられていた。
最後の聖火ランナーは1人ではなく3人
開会式のクライマックスには、佐藤オオキ率いるnendoの聖火台が登場した。聖火台への点火を行った最終ランナーは、1人ではなく3人。車いすテニスの上地結衣(かみじ・ゆい)、ボッチャの内田峻介(うちだ・しゅんすけ)、パラパワーリフティングの森崎可林(もりさき・かりん)という現役アスリートたちが務めた。
これまでで最も重要なパラリンピック
こういった大会は、金メダルを獲得した競技や記録的な勝利の興奮に包まれてしまいがちだ。しかし、国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)が強調するように、これは単なるスポーツイベントではない。
パラリンピックは、ハンディキャップを持つ人に、平等な権利を主張し、地位を再確立するための声と世界的なプラットフォームを提供する貴重な機会。競技やパフォーマンスだけでなく、将来の世代に真の意味での変化をもたらすものでもある。
何よりも、過去数週間、数カ月、数年の間に直面したあらゆる挫折、遅延、逆境にもかかわらず、より明るく平等な未来が常に目の前にあることを証明するために、この大会があるのだ。
パラリンピックの最新情報は『東京オリンピック・パラリンピックガイド』でチェックしよう。
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