ニュース

オーストリア、1日当たり3ユーロの公共交通乗り放題パスが人気

脱車社会を意欲的に推進する「気候チケット」

Sophie Dickinson
テキスト:
Sophie Dickinson
Freelance contributor
広告

バスに飛び乗り、電車に乗って違う街に着いたら、またバスに乗る。こんな風にいくつもの公共交通を使って移動している人は少なくないだろう。混雑する交通機関での移動は都市生活における好ましくないことの一つであるし、そもそも出費がかさむ。

しかしオーストリアでは、国内のあらゆる公共交通で使える年間パス『Klimaticket』(文字通り「気候(変動)チケット」)を持てば、それがたった3ユーロ(約390円)で済むという。このパスは非常にシームレスな通勤や移動を実現し、環境対策としても有効。そして何より、とんでもなく安いのが魅力だ。

『Klimaticket』の価格は1,095ユーロ(約14万円)で、1週間当たりに換算すると21ユーロ(約2,690円)、1日の場合は3ユーロ(約390円)。この料金でバス、トラム、電車が乗り放題になったことは、革命に値する政治的成果だと評価も高い。それもそのはずで、40もの交通機関がひしめくウィーンだけ見ても、その恩恵は絶大なのだ。

しかし、これは都市部だけの取り組みではない。『Klimaticket』は週末のアルプス旅行、ザルツブルグでのロマンチックな旅行でも力を発揮する。

『Klimaticket』が売り出されたのは2021年10月から。すでに非常に人気で、発売直後は公式ウェブサイトがダウンしてしまった。つまりこれは、多くの人が車に乗らないようにしていることを意味する。

オランダやドイツでも同様の制度が導入されるといううわさがある。残念ながら『Klimaticket』は年単位での発売しかなく、海外からの旅行者はほぼ恩恵に預かれない。しかし、世界の多くの都市や国でも同様の仕組みが導入されることを祈っている。

原文はこちら

関連記事

エストニア、公共交通の無料化を中心とした都市整備

南米コロンビアの首都ボゴタが「サイクリスト天国」になった理由

パリ市が100%自転車で移動できる街になるための計画を発表

南アフリカの女性を救う鍋バッグとは?

ミラノは「都市の森」をどう築こうとしているのか

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら 

最新ニュース

    広告